新型コロナ感染拡大で「調整された警戒レベル3」に引き上げ

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年06月18日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は6月15日、新型コロナウイルス対策の進捗にかかる国民演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、新型コロナウイルスに対する警戒レベルを「調整された警戒レベル3」に引き上げることを発表した。感染拡大の第3波を迎えた南アでは、5月30日に警戒レベル1から「調整された警戒レベル2」に引き上げた(2021年6月1日記事参照)ばかりだった。直近の過去7日間の1日当たり新規感染者数が平均7,500人、入院患者数は過去2週間で59%増加するなど、感染拡大が続いていることを踏まえて、政府は警戒レベルをさらに引き上げた。

今回の発表で強化した主な制限内容は以下のとおり(詳細は官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに即日掲載)。

  • 夜間外出禁止時間は午後10時~翌日午前4時に延長(これまでは午後11時~翌日午前4時)。
  • 上記に伴い、従業員の帰宅手段を確保するため、ノンエッセンシャルに指定されるレストランやバーなどの営業を午後9時までとする(これまでは午後10時まで)。
  • 集会の上限人数を屋内は50人、屋外は100人に制限(これまでは屋内100人、屋外250人)。
  • レストランやバーでの酒類の提供は午後9時までとし、酒類の店頭販売は月曜~木曜の午前10時~午後6時。

「調整された警戒レベル3」の発令は2月28日以来となったが(2021年3月3日記事参照)、これまで政府が感染拡大抑制策として実施してきた内容をおおむね踏襲していることから、国内で大きな混乱は見られていない。現在のところ、今回の警戒レベル引き上げによる現地日系企業の操業に大きな影響はみられないほか、出入国管理に関しても変更はなく、日本からの渡航は可能だ。

ただ、今回の演説後の6月16日の新規感染者数は1万3,246人と、1カ月ぶりに1万人台を超えたことから、今後感染がどこまで拡大していくか注視が必要だ。ラマポーザ大統領は、これまでに医療従事者や60歳以上の国民を中心に既に200万人がワクチンを接種し、現在1日当たり8万人が接種を受けていると政府の取り組みを示した。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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