新型コロナ感染拡大で「調整された警戒レベル2」に引き上げ

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2021年06月01日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は5月30日、新型コロナウイルス対策の進捗にかかる国民演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、国内では5月以降、感染の拡大傾向が顕著となり(2021年5月18日記事参照)、複数の州で感染拡大の第3波に入ったと述べた。これらを踏まえて、政府は感染拡大を早期に抑制すべく、現在の警戒レベル1から「調整された警戒レベル2」への引き上げを閣議決定したと発表した。

今回の発表で強化した主な制限内容は以下のとおり(詳細は官報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に即日掲載)。

  • 夜間外出禁止時間は午後11時~翌日午前4時に延長(これまでは午前0時~午前4時)。
  • 上記に伴い、ノンエッセンシャルに指定されるレストランやバーなどの営業を午後10時までとする。
  • 集会の上限人数を屋内は100人、屋外は250人に制限(これまでは屋内250人、屋外500人)。

これまで、国内で感染抑制策として度々実施されてきた酒類の店頭販売の制限に関する発表はなかった。なお、現在のところ、今回の警戒レベル引き上げによる現地日系企業の操業に大きな影響はみられないほか、出入国管理に関しても変更はなく、日本からの渡航は可能だ。

ラマポーザ大統領は同演説で、現時点で医療従事者と60歳以上の高齢者を中心に既に96万人にワクチン(米国ジョンソン・エンド・ジョンソン製、米ファイザー製の1回目)を接種したと発表した。また、政府は国内の全成人向けとなる約4,000万人分のワクチンを確保しており、国内400カ所のワクチン接種サイトが稼働していると、政府の取り組みを強調した。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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