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米USTR、6カ国のデジタル課税に対する報復関税発動を最長180日間停止

(米国、イタリア、インド、英国、オーストリア、スペイン、トルコ、フランス)

ニューヨーク発

2021年06月03日

米国通商代表部(USTR)は6月2日、デジタル課税を導入するイタリアとインド、英国、オーストリア、スペイン、トルコに対して3月に発表していた1974年通商法301条に基づく追加関税案(2021年3月31日記事参照)につき、発動するとの最終判断を下しつつ、多国間交渉のために最長で180日間発動を停止すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

各国が導入・検討するデジタル課税については、トランプ前政権が1974年通商法301条(以下、301条)に基づき、2020年6月にEUと9カ国に対する調査を開始し、2021年1月にはデジタル課税を導入済みの6カ国について、国際課税の原則に反して米国企業を差別しているとの結論に至っていた(2021年1月21日記事参照)。301条によると、USTRは調査開始から1年以内に対抗措置に関する判断を下すことになっている。同案件を引き継いだバイデン政権は2021年3月に、対抗措置として6カ国からの特定製品の輸入に最大で25%の追加関税を賦課する案を提示の上、その後4月末までに産業界などからパブリックコメントを募集し、5月に公聴会を開催していた。今回の最終判断は、それら産業界などの声も踏まえたものとなる。

USTRは、追加関税を発動するとの最終判断を下した一方、発動を最長で180日間停止するとした。キャサリン・タイUSTR代表は「米国はOECDとG20における議論を経て、国際的な課税問題におけるコンセンサスを形成することにコミットしている。今日の判断は、301条追加関税の選択肢を残しつつ、それらの(多国間)交渉が進展するための時間を与えるものだ」との声明を出している。USTRは今回の6カ国のほか、フランスに対しても、同国が導入したデジタル課税を理由に301条追加関税の発動を決定しているが、2021年1月に発動を無期限に停止すると発表している(2021年1月12日記事参照)。

OECDでは、2021年の半ばまでの、デジタル課税に関する国際ルールの合意形成に向けて協議を進めている。USTRはそれよりも余裕をもった最長180日間、すなわち2021年11月末までの猶予を示したが、それまでに国際的な合意に達することができるかが今後のカギとなる。

(磯部真一)

(米国、イタリア、インド、英国、オーストリア、スペイン、トルコ、フランス)

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