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プーチン大統領、オランダとの二重課税防止条約を破棄する連邦法に署名

(ロシア、オランダ)

欧州ロシアCIS課

2021年06月04日

ロシアのウラジミル・プーチン大統領は5月26日、オランダとの二重課税防止条約を破棄する連邦法(2021年5月26日付第139-FZ号)に署名した。早ければ2022年初から、2国間での配当、利子などの送金に標準税率が適用され、課税率が引き上げられる。

今回の連邦法は、ロシアとオランダの二重課税防止条約の改定交渉が不調に終わったことをきっかけに起草された。ロシア政府は、国内の社会・経済政策の実施に必要な財源確保を目的に2020年3月以降、キプロス、マルタ、ルクセンブルクと配当および利子の送金に関する税率を原則15%に引き上げる二重課税防止条約の改定交渉を行ってきた。キプロスとは2020年9月に(2020年9月17日記事参照)、マルタとは10月に、ルクセンブルクとは11月に(2020年11月13日記事参照)、これまでの条約を改定する議定書に署名している。

オランダに対しても同様の条約改定を持ち掛けたが、オランダが現行の税率維持を目的とする逆提案を行うなど、交渉がまとまらなかった。規定に基づき、6月30日までに破棄通告が行われた場合、2021年末に現行の条約は失効。ロシア側で適用される税率は配当に対しては15%、利子は20%となり、現在の配当5%、利子0%から大幅に引き上げられる。これに加え、オランダ側でも源泉徴収が発生し、二重課税状態に陥る可能性もある。

今回の条約破棄について専門家は、企業に対して慎重に対処することを推奨している。ロシアの税務会計コンサルティング会社クロウ・エクスペルティザのパートナーで、国際税務分野の専門家のルスタム・バヒトフ氏は「両国間で租税条約が締結されていない状態が長期間続くとは考えづらく、オランダがロシアに対して何らかの交渉をもちかけるだろう」との見方を示している(「ベドモスチ」紙5月27日)。世界大手監査法人KPMGロシアCISパートナーのアレクサンドル・トカリョフ氏は「オランダからの撤退は、各企業の具体的な状況に鑑みて判断すべきだ」と述べている(「ベドモスチ」紙5月27日)。

(齋藤寛)

(ロシア、オランダ)

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