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最大の投資相手国キプロスとの二重課税防止条約を改正、租税回避地との見直し進める

(ロシア、キプロス)

モスクワ発

2020年09月17日

ロシア財務省のアレクセイ・サザノフ次官兼官房長とキプロスのコンスタンチノス・ペトリディス財務相は9月8日、二重課税防止条約を改正する協定に署名した。これまで5%または10%だった配当・利子への課税率を原則として15%に引き上げる内容で、新型コロナウイルス感染拡大対策のための財源確保が目的。

今回の条約改正は3月25日に行われたプーチン大統領による国民向けの演説(2020年3月26日記事参照)の中で、感染拡大対策の財源確保を目的とした「国外向け配当への課税強化」として述べられていたもの。これを受け、政府はこれまで国内資金の海外流出先とみられてきた関係諸国(主に租税回避地)との間で締結した二重課税防止条約の見直しに動き始めた。

最初の締結国となったのがロシアにとって最大の投資相手国であるキプロスで、サザノフ財務次官によると、今回の改正によりロシアは年間1,300億~1,500億ルーブル(約1,820億~2,100億円、1ルーブル=約1.4円)の税収増が期待できるという(インターネットメディア「ガゼータ・ルー」9月11日)。

一方で、今回の改正はキプロスにマイナスの影響を与える可能性がある。金融コンサルティング会社リーガルのナデジダ・オルロワ・パートナーは「この改正はキプロスを租税回避地として活用してきた(ロシアの)個人投資家を中心に大きな影響を与えるだろう。このような投資家は代替地を模索するため、キプロスがこれまで保ってきた投資上の優位性を失う可能性がある」と予測する。

署名された本協定は今後、両国間での批准手続きを経て2021年1月1日に発効する見込み。ロシアはマルタとも同様の交渉を進めており、連邦政府は9月11日、同国との二重課税防止条約改正のための協定案を承認した。このほか、ルクセンブルクおよびオランダとの条約の見直し作業も行われている。

(梅津哲也)

(ロシア、キプロス)

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