欧州委の新産業戦略の更新版に欧州産業界が要望提示

(EU)

ブリュッセル発

2021年05月13日

欧州委員会が5月5日に発表したEUの新産業戦略の更新版(2021年5月7日記事参照)に対して、欧州の各産業団体は歓迎しつつも、それぞれの要望を提示した(注)。

欧州商工会議所(ユーロチェンバース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と欧州中小企業連合会(SMEunited)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは中小企業への支援を訴え、単一市場の強化や産業アライアンス、「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」への中小企業の参加が促進されるような環境作り、公的な資金援助・支援措置や民間投資の展開・拡充などを求めた。

また、欧州の競争力維持のため投資につながる支援に注力することを求める声もあった。欧州機械・電気・電子・金属加工産業連盟(Orgalim)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、先進製造技術の戦略的重要性が認められたことを歓迎しつつも、他の地域が投資を増やし、欧州を追い上げている現状への認識が新産業戦略には欠けていると指摘。欧州の先進性の維持のため欧州委に対して、重要部門や産業アライアンスなどへの支援を継続し、産業界と協力して単一市場の強化に重点を置くように求めた。また、テクノロジー部門の今後の成長にとってグローバル・バリューチェーンや輸出は重要で、グローバル・サプライチェーンや公正な競争環境が重視されている点を評価した。欧州製薬団体連合会(EFPIA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、製薬業界にとっては研究開発が基幹であり、研究開発への投資の継続や拡大には欧州の開発や製造エコシステムの発展を支える政策枠組みや、欧州の国際的な競争力を維持できる産業戦略が必要だとした。

デジタル化加速へ提言や支援の要望も

情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、欧州委が更新版で「デジタル化への移行を加速させるための道筋を示す」としたことを評価したが、欧州委が3月に発表した2030年までのデジタル化実現のための目標「デジタル・コンパス」(2021年3月12日記事参照)に沿ったより明確な目標を示すよう求めた。また、官民パートナーシップや外国からの投資の呼び込みなどを強化し、デジタルを活用した炭素集約型産業のグリーン化やデジタルインフラの高度化を重点分野にするように提言した。

小売・卸売業界の団体ユーロ・コマースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、新型コロナウイルス危機によって企業の存続にはオンライン販売など販売形態の多様化の重要性が明らかになったとして、同部門のデジタル化と持続化を支援する枠組みとなる戦略と、デジタル化が進んだビジネス環境でも公正な競争が行われるための法整備を求めた。

(注)各団体の声明はEFPIA(5月6日付)を除いて5月5日付。

(滝澤祥子)

(EU)

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