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欧州委、2030年までの官民のデジタル化目標提案

(EU)

ブリュッセル発

2021年03月12日

欧州委員会は3月9日、2030年までの欧州のデジタル化への移行実現を目指し、今後の10年間を「デジタル化の10年間(Digital Decade)」と位置付け、目標などを定めたデジタル・コンパス2030PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2020年10月の欧州理事会(EU首脳会議)(2020年10月6日記事参照)で、新型コロナウイルス感染拡大によりデジタル化が加速する中で、復興基金の中核政策「復興レジリエンス・ファシリティー(RRF)」(2021年2月15日記事参照)の予算の20%をデジタル化へ割り当てることを支持するに当たって、デジタル化の具体的な数値目標や目標達成のための枠組みの設定を欧州委に求めていたものだ。今回発表された主な内容は以下のとおり。

「デジタル・コンパス2030」の4つの軸と数値目標

○デジタルリテラシーの向上と高度デジタル人材の育成

  • 成人(16~79歳)の80%が基礎的なデジタル技術を取得(現状は58.3%)
  • 情報通信技術(ICT)専門人材を2,000万人に拡大(現状は780万人)

○安全・高性能・持続可能なデジタルインフラの整備

  • 全家庭にギガビット通信を接続(現状は59%)、全ての居住地域で第5世代移動通信システム(5G)を提供(現状は14%)
  • 次世代半導体のEU域内生産の世界シェア20%以上(現状は10%)を目指すなど、域内生産の拡大
  • 気候中立に対応した高セキュリティーなエッジノード(注)を1万台配備し、域内のあらゆる地域のビジネスに対してデータサービスへの遅延のないアクセスを保証(現状は配備なし)
  • 2030年までに量子情報処理技術で世界をリードするために、2025年までにEU初となる量子コンピュータを導入

○ビジネスのデジタル技術活用

  • 域内企業の75%がクラウドサービス(現状は26%)、ビッグデータ(現状は14%)、人工知能(AI、現状は25%)などの技術を活用
  • 域内中小企業の90%以上が最低限の基礎的デジタル技術を活用(現状は61%)
  • EUのユニコーン企業(企業価値10億ドルを超えるスタートアップ企業)を250社に倍増(現状は122社)

○公的サービスのデジタル化

  • 全ての主要な公的サービスをオンラインで利用可能に
  • 全てのEU市民が電子医療記録にアクセス可能に
  • 80%のEU市民がデジタルIDを利用

欧州委は、こうしたデジタル化の各目標の進捗状況を監視する仕組みとして、報告書を毎年作成し、目標達成に遅れの見られる加盟国に対しては、勧告を出すだけなく、技術支援を提供する予定とした。また、デジタル化には巨額の予算が必要となることから、RRFの活用とともに、特に大規模プロジェクトに関しては、EUと加盟国の予算の共同利用や民間からの投資を促進する「複数国プロジェクト(Multi-Country Project)」を提案している。

(注)クラウドサービスと接続する基地局やルーターなどの情報機器、処理装置。

(吉沼啓介)

(EU)

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