国際家電見本市「IFA2021」中止決定、一部の州では見本市再開が視野に

(ドイツ)

ベルリン発

2021年05月24日

メッセ・ベルリンとドイツ民生通信エレクトロニクス協会(gfu)は5月19日、毎年9月にベルリンで開催している世界最大級のコンシューマーエレクトロニクス展「IFA2021」の中止を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。当初、9月3日から5日間にわたり平常どおりの開催に向けた準備を進めてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、公衆衛生関係者との協議を踏まえて中止を決定した。「IFA2022」は、2022年9月2~6日にリアルでの開催を目指す。

中止の理由として、南アジアなどにおける新型コロナウイルス変異株の急速な出現や、世界各国のワクチン接種状況など、公衆衛生上の指標が期待どおりに進行しなったためとしている。あわせて、展示会場の一部がワクチン接種センターや緊急医療施設に転用されおり、利用の長期化が見込まれることも中止の要因に挙げられた。メッセ・ベルリンのマーティン・エックニッヒ最高経営責任者(CEO)は「ワクチン接種状況から海外旅行の再開まで、当初期待したペースで進まなかった」と説明した。gfuのカイ・ヒルブラント会長は、数カ月前からの準備が必要な見本市を開催するには、「不確定要素が多すぎるため、責任をもって見本市出展を計画することはほぼ不可能」と述べた。

なお、併催イベントの「Berlin Photo Week」と「SHIFT Mobility」は予定どおり開催される。

ドイツ見本市産業連盟(AUMA)によると、2021年にドイツで開催される見本市は約380だが、既にそのうち60%の中止が決まっている。ドイツでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限措置として、2020年3月以降、同年9月と10月を除いて見本市の開催は許可されていない状況が続いており、現在は過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数が3日連続で100人を超える自治体において「非常ブレーキ」を適用する、連邦の感染症予防法(2021年4月26日記事参照)により、大型イベントの開催が規制されている。しかし、感染者数が減少しつつある一部の州では再開の見通しが発表された。5月22日時点で、新型コロナウイルス行動規制に関する条例で見本市の開催条件を定めている州は、ノルトライン・ウェストファーレン州、ハンブルク州の2州だ。また、見本市の開催条件を州条例に定めるには至っていないものの、一定の感染者数を下回ることを条件に再開する予定を決定しているのは、バーデン・ビュルテンベルク州、ニーダーザクセン州、バイエルン州の3州となっている。

(中村容子)

(ドイツ)

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