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英国議会の女王演説、新型コロナ後の経済復興に注力

(英国)

ロンドン発

2021年05月17日

5月11日に新会期入りした英国議会の開会式で、慣例により、エリザベス女王が政府施政方針について演説した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込んだ経済や雇用の回復に注力することを強調したほか、医療体制の拡充や環境保護、動物福祉などを実現するため、計30の法案を示した。

エリザベス女王は演説の冒頭、「(新型コロナウイルスによる)パンデミックからの復興を実現し、英国をこれまでよりも強く、健康で、一段と繁栄した国にすることが政府の優先事項」と述べ、現政権の決意を強調。「雇用や企業、経済成長を支援し、パンデミックが公共サービスに与えた影響に対応する」と続け、「新型コロナ後」の経済復興に全力を挙げる考えを示した。

今回提示された法案の中には、国内8カ所の経済特区「フリーポート」新設(2021年3月11日記事参照)などの経済対策のほか、第5世代移動通信システム(5G)や高速鉄道などのインフラ整備、環境や教育などさまざまな分野で投資を加速させることが盛り込まれた。加えて演説では、英国が2021年にG7首脳会議(サミット)と第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催国となっていることを踏まえ、政府がこれらの機会を通じて経済回復や温室効果ガス(GHG)排出量削減に向け、環境保護と雇用創出を同時に達成する新たなグリーン産業への投資を行うとした。

女王演説で示された主な施策は、添付資料表のとおり。

ボリス・ジョンソン首相率いる与党・保守党は、新型コロナのワクチン接種計画が順調に進み、国内の感染状況が改善したことで、国民からの支持が高まっている。5月6日に投票が行われたイングランド北東部ハートルプールの下院議員補欠選挙やイングランド地方自治体(カウンシル)議会選挙でその勢いが示されており(2021年5月10日記事参照)、政府は女王演説で示した各種政策を実行することで、政権への求心力をさらに高める考えだ。女王演説では、英国全体での均衡ある成長を追求する考えを示しているが、政府が地方活性化や地域間格差是正を繰り返し強調する背景には、将来的な英国からの分離懸念がくすぶるスコットランドなど自治政府や、伝統的に最大野党・労働党が強いイングランド北中部などへの投資を拡大し、これらの地域で支持基盤を広げる狙いもあるとみられている(「ニューヨーク・タイムズ」紙5月11日)。

(尾崎翔太)

(英国)

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