スイス連邦政府、「コロナ証明書」の利用方法を発表

(スイス)

ジュネーブ発

2021年05月20日

スイス連邦参事会(内閣)は5月19日、新型コロナウイルスワクチンを接種済みであること、検査結果が陰性であること、罹患(りかん)から回復したことを証明する「コロナ(COVID)証明書」(2021年5月10日記事参照)の今後の利用方法に関する基本的な枠組みを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。「コロナ証明書」は希望するスイス住民全員(16歳未満は不要)に与えられるが、この証明書は、公共交通機関、学校や職場などでの衛生対策に用いられるものではなく、感染症対策の計画上、求められる条件を段階的に緩和していくために用いられるもので、連邦参事会はその利用期間を必要最低限とする意向だ。同証明書の利用については、以下の3つに区分けする。

○緑:「コロナ証明書」の利用を禁止する場所

国民の基本的権利や自由が保障されるべき日常生活の場所、例えば、私的な集会、宗教行事、公共交通機関、一般店舗、職場および学校などにおける「コロナ証明書」の利用は禁止する。

○オレンジ:施設閉鎖を避けるため「コロナ証明書」を任意で利用する場所

バー、レストラン、スポーツや文化団体などのイベント、レジャーや娯楽施設、病院、介護施設など、日常的ではないが頻繁に利用される場所においては、「コロナ証明書」の利用は必須としない。ただし、感染状況が再度悪化し、医療体制が逼迫する事態となる場合は、施設の閉鎖を避けるため、「コロナ証明書」の保持者にアクセスを限定することができる。

○赤:活動を実施するためには証明書の利用が必須の場所

空港など国際旅客が利用する施設や感染対策が特に重要となる大規模イベントやディスコなどでは、「コロナ証明書」の利用を必須とする。今後、多くの国が入国に際し新型コロナウィルスに感染していない旨の証明書提示を要求することになると見込まれる。大規模イベントやディスコ、ナイトクラブなどでは、段階的な制限措置緩和を進めていく過程で一時的にコロナ証明書を利用することを予定している。

具体的な実施要綱や政令の改正については、6月11日から各州や関係機関との協議に付され、同18日に決定される予定。「コロナ証明書」は6月7日から段階的に発行が開始され、「コロナ証明書」の利用を前提とした緩和策の導入が予定される6月末までには全国民が利用可能となる見込みだ。

(和田恭)

(スイス)

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