タミル・ナドゥ州、厳格なロックダウンを5月31日まで延長

(インド)

チェンナイ発

2021年05月27日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州は5月22日、新型コロナウイルス対策の厳格な活動制限を延長する通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した。また、24日には修正通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出した。当初5月24日午前4時までとしていた厳格な活動制限(2021年5月13日記事2021年5月24日記事参照)は、5月31日午前6時まで延長になった。

主な変更点は以下のとおり。

  • 果物・野菜は、移動車両で提供・販売される(独立店舗型の食料品店は営業禁止)。
  • 宅配サービス(フードデリバリーなどを除く)は、午前8時から午後6時まで営業可能。
  • ATMとそれに関わる銀行サービスなどは、出勤者数を3分の1以下に制限した上で営業可能。
  • 救急医療のための県内(注1)の移動に際しては、「eパス(許可証)」の取得を免除。
  • 連続生産をする工場、必需品を製造する工場については操業可能だが、輸出に関する工場と紡績から縫製までの一貫生産を行う工場の操業を禁止。

また、TN州は23日に別の通達を発出し、25日から工場への通勤は四輪車に限るとし、二輪車の利用を禁止した。工場を操業する法人はバスやバンなどの手配が求められているようだ(「ザ・ヒンドゥー」紙5月23日)。

5月12日以降、TN州の1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数は3万人を超え、21日の3万6,184人をピークに3万5,000人前後で推移し、件数は高止まりしている。1日当たりの新規感染者数は全国36州・連邦直轄領の中で最も多く、アクティブ患者数(注2)も増加傾向が続いている(5月25日時点)。TN州政府は、当初は24日午前4時までとした活動制限では必要とする効果を得られなかったと判断し、これを延長したもようだ。

(注1)TN州は38の県(英語表記:District)から構成される。

(注2)感染者数から回復者数と死者数を除いた数。

(浜崎翔太)

(インド)

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