タミル・ナドゥ州、5月10日から2週間の厳格なロックダウン

(インド)

チェンナイ発

2021年05月13日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州は5月8日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月10日午前4時から5月24日午前4時までを対象とする活動制限に関する通達を発出した。

これまでは日曜日のみに厳格なロックダウンを課していたが、今回の通達により、一部例外はあるものの、対象期間中は日曜日に限定せず、厳格なロックダウンを実施する。これまでの活動制限(2021年5月7日記事参照)も含めて、主な活動制限は以下のとおり。

  • 上記期間中のあらゆる移動を原則禁止。ただし、病院や空港・駅への移動、医療や食料品、貨物、ガソリンなどの必要不可欠な輸送は可能。
  • 州外からTN州への移動には「eパス(許可証)」が必要。
  • レストランやホテルなどでの料理の提供は持ち帰りに限り、制限された時間(午前6時~午前10時、正午~午後3時、午後6時~午後9時)のみ提供可能。上記料理の宅配サービスは、上記制限時間のみ営業可能。
  • 独立店舗型の食料品店は、50%以下の収容人数ならば、正午までの営業が可能。そのほかの多くの店舗は営業不可。食料品(上記レストランなどの料理を除く)の宅配サービスは、正午まで営業可能。
  • 連続生産をする工場、必需品を製造する工場は操業可能だが、事業者は従業員に許可文書ないし職員証を持たせなければならない(これまでは夜間・日曜日のみに適用)。
  • 政府庁舎と企業のオフィスは原則閉鎖とし、在宅勤務のみ可能。
  • 操業が認められていない事業でも、消防や機械整備、労働者の安全を目的とした必要不可欠な保守作業は可能。
  • 銀行、ATM、それに関わる輸送、保険サービスなどは、出勤者数を50%以下に制限し、操業可能。
  • バスやチェンナイメトロなどの公共交通機関(タクシーを含む)は運行停止。

TN州では医療提供態勢が逼迫し、酸素を供給できる病床は約14%、集中治療室(ICU)は約13%しか空きがない状況だ。PCR検査の陽性率は2月平均は0.9%だったが、5月平均は15.5%(8日時点)と大幅に悪化している(5月9日付「タイムズ・オブ・インディア」紙)。1日当たりの新規感染者数がここ10日間で1万人強増加(4月30日1万8,692人、5月9日2万8,897人)しており、さらなる状況の悪化に予断を許さない。

(浜崎翔太)

(インド)

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