タミル・ナドゥ州、州内の移動も厳格に制限、新規感染者は国内最多に

(インド)

チェンナイ発

2021年05月24日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州は5月14日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従来の活動制限(2021年5月13日記事参照)を厳格化する追加通達を発するとともに、ガイダンスタミル・ナドゥ(注)が工場操業に関してFAQを公表した。主な内容は以下のとおり。

  • 5月15日から、独立店舗型の食料品店の営業および食料品(レストランなどの料理を除く)の宅配サービスの営業は、午前10時までに制限(それ以前は正午まで)。
  • 5月17日から、TN州内の移動に対しても「eパス(許可証)」の取得を義務付け(それ以前は州外からTN州への移動のみ)。
  • 5月17日から、連続生産をする工場および必需品を製造する工場を操業する法人に対しても、法人ごとの「eパス」の取得を義務付け(新規)。

州都チェンナイでは、「eパス」を取得していない人々の移動を防ぐため、348区域に分割し、主な区域境に「eパス」を確認する警察官を配置している。上記の食料品店の営業時間(午前6時から午前10時)以外においては、「eパス」を取得していなければ区域を越えて移動できないようだ。5月17日には、活動制限違反により2,855人が検挙されている(「タイムズ・オブ・インディア」紙5月19日)。

M・スブラマニアン州保健担当相は、TN州の医療用酸素の必要量が、TN州の生産量を上回っていると述べた。一方で、医療用酸素の在庫が少ない病院に対して優先的に供給しており、過去10日間で問題は生じていないとする。また、地方に住む人々や都市に住む貧困層が、ワクチン接種にためらいがあるとしており、そうした人々への接種を促していくと述べている(「タイムズ・オブ・インディア」紙5月20日)。

TN州では、5月20日時点における1日当たりの新規感染者数が3万5,579人となり、全国36州・連邦直轄領の中で最多になった。

(注)TN州政府傘下の投資促進機関。

(浜崎翔太)

(インド)

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