IMF、ウズベキスタンの2021年の経済成長率を5.0%と予測

(ウズベキスタン)

タシケント発

2021年05月07日

IMFは4月26日、ウズベキスタンに関する第4条レポートを公表し、同国の2021年の実質GDP成長率を5.0%、財政赤字が新型コロナウイルス対策などのために一時的に拡大しても対外債務危機リスクは低いと述べた。

2020年のウズベキスタン経済については、上半期に新型コロナウイルス感染症による大きな経済的打撃を被ったものの、その後の適切な政策発動や国際支援などにより景気後退を食い止め、最終的に1.6%のプラス成長を実現したことを前向きに評価している。

2021年については、ワクチンの世界的な普及、貿易相手国の経済成長、国内経済の回復を背景に、GDP成長率を5.0%と予測した(注)。一方、新型コロナウイルスの影響による歳入減と政府支出の増加で、財政赤字幅はGDP比5.5%に拡大する。資金調達は世界銀行とアジア開発銀行を中心とした国際的な支援や新たな債券発行などによって行う。インフレ率(年末比)は9.8%で、政府や中央銀行が掲げる2021年の目標値10%以内に収まる見通し(2019年11月25日記事参照)。

新型コロナウイルス対策関連の借り入れなどのため、政府の対外債務は2021年にはGDP比約40%になる。しかし、政府は今後数年間で、財政赤字を削減し公的債務を減らすことにより財政を均衡化する方針で、IMFでは対外債務苦のリスクは引き続き低いと評価している。

(注)IMFによれば、2019年のGDP成長率は5.8%、2020年は1.6%。2021年のGDP成長率について、ウズベキスタン財務省は5.1%、中央銀行は4.5~5.5%、世界銀行は4.8%、アジア開発銀行は4.0%と予測している。なお、国家統計委員会によれば、2021年第1四半期(1~3月)のGDP成長率は3.0%。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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