1~3月のASEAN輸出、前年同期比14.1%増、ベトナムとマレーシアの電子機器が拡大

(ASEAN、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム)

バンコク発

2021年05月14日

ASEAN主要6カ国(タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム)の各国貿易統計をジェトロが集計したところ、2021年第1四半期(1~3月)の輸出総額は前年同期比14.1%増の3,857億3,800万ドル、輸入総額は12.3%増の3,564億4,900万ドルとなった(添付資料表1、表2参照)。貿易総額は13.2%増の7,421億8,700万ドルと拡大し、貿易収支は43.2%増の292億8,900万ドルと改善した(添付資料表3、表4参照)。

ASEAN主要6カ国では、2020年2月ごろから輸出、輸入とも縮小がみられたが、同年5月ごろに底を打って回復傾向に転じ、2021年3月には輸出総額は1,400億ドルを突破した(添付資料図1参照)。2021年第1四半期は6カ国の輸出、輸入とも前年同月比を上回っている。輸出の伸びが好調なのは、ベトナム(23.7%増)、マレーシア(21.4%増)の2カ国で、インドネシア(17.1%増)、シンガポール(11.1%増)も2桁増となっている。

ベトナムは2021年第1四半期、輸出全体の28.4%を占める米国向けが前年同期比39.4%増と好調だった。寄与度では輸出全体の9.9ポイントを押し上げた。また、16.1%を占める中国向けも34.8%増と快調さが目立っている(寄与度:5.1ポイント)。品目別でみると、輸出構成比の15.2%を占めるコンピュータ電子製品・同部品が31.2%増(同4.5ポイント)、11.6%を占める機械設備・同部品が77.2%増(同6.3ポイント)と拡大した(2021年4月20日記事参照)。

同様に、マレーシアも米中向けの輸出が好調だ。第1四半期の輸出はリンギ建てで18.2%増だったが、輸出全体の11.6%を占める米国向け輸出が35.9%増となり、寄与度では輸出を3.6ポイント押し上げた。また、構成比で14.9%を占める中国向けも36.3%増と拡大した(寄与度:4.7ポイント)。主な品目としては、構成比で38.3%を占める電気・電子機器が27.9%増(同9.9ポイント)と拡大し、中でも19.5%を占める集積回路は34.7%増(同5.9ポイント)となった。ほかに、6.3%を占めるゴム手袋の輸出が3.7倍と急増した(同5.4ポイント)。

(北見創)

(ASEAN、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム)

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