7月までに完全な経済再開へ、米イリノイ州などの中西部

(米国)

シカゴ発

2021年05月25日

米国中西部の各州で、新型コロナウイルス感染拡大に関連する規制の完全解除に向けた取り組みが進められている。

イリノイ州のJ.B.プリツカー州知事(民主党)は5月6日、「6月11日の経済完全再開を目指している」と発言し、シカゴ市のロリ・ライトフット市長(民主党)も「シカゴ市もこれに続きたい」と意気込んだ。なお、同市長はイリノイ州の発表に先立つ5月4日、「7月4日に経済を完全に再開させたい」と発言していた(2021年5月10日記事参照)。現在、イリノイ州の経済再開状況は、5月14日から「ブリッジフェーズ」(全ての規制を解除する「フェーズ5」とその前段階の「フェーズ4」の中間地点)に入っており、屋内での経済活動の人数規制を「フェーズ4」の規制内容からさらに緩和している。

また、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー州知事(民主党)は5月20日、「バックトゥノーマル計画(Vacc to Normal plan)」を更新し、7月1日から経済の完全再開を行う旨を発表するとともに、6月1日から屋外での経済活動における人数規制の撤廃と、屋内での経済活動の人数制限の緩和などを行うとした。同州では、3月下旬から感染拡大が深刻化(2021年4月19日記事参照)したが、直近7日間の10万人当たりの感染者数は533.7人(4月18日時点)から、5月24日時点で101.5人に減少した。

再開のペースは「共和党州」で先行

州知事が共和党に所属するインディアナ州やオハイオ州では、イリノイ州やミシガン州に先んじて経済再開を進めている。

インディアナ州のエリック・ホルコム州知事は、州全体でのマスク着用義務など新型コロナウイルス関連の規制を4月6日に解除している。こうした中で、同州の大都市であるインディアナポリスでは、屋内での経済活動などに対する収容人数規制を継続していたが、6月7日以降に規制を緩和するとしている。

また、オハイオ州のマイク・デワイン知事は5月12日、新型コロナウイルス関連の規制を6月2日に解除することを発表するとともに、新型コロナワクチンの接種を奨励するため、ワクチン接種を1回以上受けている州民を対象に100万ドルが当たる抽選会の実施を発表した。抽選会には100万人以上が登録している。

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、5月24日時点の各州のワクチン接種率(2回接種)は、イリノイが38.6%、ミシガンが40.7%、インディアナが34.2%、オハイオが39.0%となっている。

(藤本富士王)

(米国)

ビジネス短信 32933313fa62a4d5