米ミシガン州で新型コロナ感染拡大が深刻化

(米国)

シカゴ発

2021年04月19日

米国ミシガン州では、3月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、米疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は4月12日、「感染拡大を抑えるために州を封鎖すべきだ」と警告した。同州では4月14日時点の新型コロナウイルス感染の入院患者数が2020年4月以来最多の4,043人を記録した。直近7日間の10万人当たりの感染者数も533.7人(4月18日時点)と全米最多で、2番目に多いニュージャージー州の288.2人を大きく上回っている。

グレッチェン・ウィットマー州知事(民主党)は4月9日、こうした厳しい感染拡大の状況を受け、レストランなどでの屋内飲食や高校での対面授業などを任意で今後2週間控えるよう市民に呼び掛けた。さらに、13日には州内企業を対象に新型コロナウイルスに関する職場安全規制を10月まで6カ月延長すると発表し、州内で働く人々に対して可能な限り在宅勤務を継続するよう求めた。しかし、ウィットマー知事は14日の会見で、これ以上の新たな規制を設ける予定はないとも述べ、同州で感染が拡大している主な背景として、ウイルスの変異株の感染拡大のみならず、マスク着用やソーシャルディスタンスを確保しない人々の行動を挙げ、個々人の感染対策の見直しと徹底を市民に求めた。現在、同州ではほぼ全てのビジネスが人数制限や営業時間の規制の下で再開している。

16歳以上の州民の4割強がワクチン1回目の接種完了

ミシガン州では4月5日から16歳以上の住民を対象に新型コロナワクチンの接種を行っており、14日時点で対象者の27.5%、65歳以上の61%が接種を完了し、対象者の41.9%が少なくとも1回の接種を受けたことが確認されている。

同州保健社会福祉局は、州内の16歳以上の70%に当たる約560万人が2021年末までにワクチン接種を完了する目標を掲げている。ウィットマー州知事は9日には、州内での感染深刻化を受けて連邦政府に対してワクチン供給量の拡大を要請したが、ワクチンは人口比率で公平に配布するという理由から特別措置を得けることはなかった。なお、ワレンスキーCDC所長は、ワクチンの効果が出るまで接種から一定期間が必要であり、ミシガン州で起きているような感染拡大を封じる上で、ワクチン接種は解決策ではないとの見解を示している。

(大土萌子)

(米国)

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