連邦政府、大規模イベント再開の行程と条件決定

(スイス)

ジュネーブ発

2021年05月28日

スイス連邦参事会(内閣)は5月26日、1,000人超の大規模イベントの再開に向けた行程と条件について発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。4月28日に発表した行程案(2021年4月30日記事参照)を各州と協議し、その内容を踏まえて修正したものだ。

  • 第1段階:大規模イベント開催許可に必要となる新型コロナウイルス感染対策を実証するためのパイロットイベントの開催を6月1日から許可。パイロットイベントの参加人数の上限を屋内は600人まで、屋外は1,000人までとする。6月中に各州5つのイベントを開催可能。屋外の着席によるイベントの際はマスク着用義務を廃止する。
  • 第2段階:大規模イベントを7月1日から再開。参加者数の上限を屋内は3,000人とし、屋外イベントは、着席の場合は収容人数を定員の3分の2までとした上で5,000人とする。屋外フェスティバルのような立席の場合は、マスク着用で収容人数を定員の2分の1までとした上で3,000人を上限とする。
  • 第3段階:最大1万人までの大規模イベントを8月20日から再開。

複数の州から多くの参加者が集まる大規模イベントについては、開催時の疫学的状況が明らかになる前から準備を始める必要があるため、2021年春の議会で「コロナ対策法」に「保護シールド」条項を導入した。これにより、準備中のイベントが開催延期または中止になった場合、同条項により、連邦政府と州がその経済的損失に対して給付金を支給することができる。

「保護シールド」適用のためには、各州が事前にそのイベントを許可していることと、そのイベントが他州から毎日1,000人以上を集客することが見込まれることが条件となる。イベント主催者は損失額のうち5,000スイス・フラン(約61万円、1スイス・フラン=約122円)と残額の10%を負担し、その残りを連邦政府と州が折半して給付金を支給する(支給額の上限は各イベントにつき500万スイス・フラン)。当該措置は6月1日から2022年4月30日に実施されるイベントが対象となる。

連邦参事会は水際措置の緩和についても同日に発表した。5月31日から、新型コロナウイルス感染症から回復した、もしくはワクチンを接種してから6カ月以内の場合、感染者との濃厚接触後の追跡やスイス入国時の検査の陰性結果と連絡先情報の提示、自主隔離の義務が免除される。ただし、変異株の流行が懸念される国からの入国については、この免除措置は適用されない。

(和田恭)

(スイス)

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