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中・東欧と西バルカン諸国の2021年の経済見通し、明暗分かれる

(中・東欧、西バルカン)

欧州ロシアCIS課

2021年04月27日

ウィーン比較経済研究所(WIIW)は4月15日、中・東欧11カ国および西バルカン諸国6カ国の中期経済予測を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。中・東欧(注1)の2021年の実質GDP成長率を3.4%と予測し、前回予測(2020年11月18日記事参照)から0.2ポイント下方修正した。一方、西バルカン諸国(注2)の2021年の実質GDP成長率は前回予測より0.1ポイント引き上げて、4.4%と予測した。新型コロナウイルスの流行により、中・東欧の8カ国、西バルカン諸国の3カ国で下方修正となった(添付資料表参照)。

2021年のGDP成長率は国・地域ごとで明暗が分かれ、モンテネグロ(6.5%)、セルビア(5.0%)、コソボ(4.8%)、アルバニア(4.5%)、クロアチア(4.5%)などの南東欧では高い成長率を見込む。モンテネグロとクロアチアは2020年の大幅な景気後退による反動とみられるが、セルビアはワクチンの迅速な接種や野心的な公共インフラ投資計画などの拡張的な財政政策によるものと分析した。一方、財政出動の余地の限られているボスニア・ヘルツェゴビナは2.5%と低い水準になった。そのほか、エストニア(1.2%)、リトアニア(2.1%)、ラトビア(2.8%)のバルト三国では第2波、第3波の到来によるロックダウン再導入により、経済回復が遅れるとみている。

WIIWは、今後の経済成長を牽引する要素として、(1)世界経済の回復に伴う財・サービスの輸出の持ち直し、(2)貯蓄の取り崩し、(3)ワクチン接種率の上昇に伴う消費者マインドの改善、(4)財政・金融政策、の4点を挙げている。

また、経済と社会活動の再開のカギとなるワクチン接種率については、国ごとに開きがあるとした。セルビアや中・東欧の一部の国ではロシアと中国からもワクチンを調達しているため、ワクチン接種率が比較的高いのに対して、西バルカン諸国の一部の国では国民への接種に何年もの時間がかかるとの見方を示した。これらの国には国際的な連帯による支援が必要だと指摘した。

WIIWは同時に、新型コロナウイルス感染拡大によるリスクとチャンスも指摘。リスクとして、ほとんどの国において、戦争や飢餓を除いて、最大の人口減少を記録したことを挙げた。また、地政学的リスクとして、米中対立や、EUとロシアの対立は、中・東欧と西バルカン諸国を間に挟む構図となるため、政治的安定性や経済発展に負の影響を与える可能性があると示唆した。他方、自動化とデジタル化は労働者不足に悩まされている中・東欧にとって大きなチャンスだとした。

(注1)ブルガリア、チェコ、エストニア、クロアチア、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、ポーランド、ルーマニア、スロベニア、スロバキア。

(注2)アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビア、コソボ。

(山根夏実)

(中・東欧、西バルカン)

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