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デジタル関連法案・課税の米国企業への影響を懸念、2021年外国貿易障壁報告書(EU、英国編)

(米国、EU、英国)

米州課

2021年04月06日

米国通商代表部(USTR)は3月31日に発表した2021年版外国貿易障壁報告書(NTE)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、欧州委員会が2020年12月に発表したデジタルサービス法案(DSA)とデジタル市場法案(DMA)(注)が米国の大手デジタルサービスサプライヤーを不当に標的とし、EU市場で革新的なインターネットベースのサービスを提供することを妨げる可能性があると懸念を示した。DSA、DMAに関してはそれぞれ1ページを超える詳細な解説を掲載し、米国企業への影響について言及している。

また、過去2年間でEU加盟国でのデジタル課税(DST)導入が始まっていることに触れ、米国の大手IT企業への影響を懸念している。USTRは2020年6月、DSTが潜在的に不合理または差別的で、米国の商取引に負担となり、制限をかける可能性があるという懸念について、1974年通商法301条に基づき調査を開始した。

フランス、イタリア、スペイン、オーストリアについては、上記調査が終了している。フランスとは、デジタル課税に関わる国際課税ルールの策定に向け、全般的な共通の枠組みについて合意に達し(2020年1月30日記事参照)、2021年1月にはフランスへの追加関税賦課の発動を停止した。その他の国については、追加関税の賦課などの対抗措置を検討している(2021年3月31日記事参照)。

英国のデジタル課税にも懸念

今回のNTEからは、2020年1月31日に正式にEUを離脱した英国に関して別項目で記載されている。英国との2国間貿易協定については、同年5月に交渉を開始し、包括的な貿易協定締結に向け交渉が進展したとする。また、同年12月31日には、ワインや蒸留酒、海洋機器、通信機器、保険などの分野をカバーする米・EU間の5つの協定の米英協定への移行を完了したという。

英国でも導入されたデジタル課税については、EU同様に米国大手IT企業への影響を懸念している。USTRは英国に対しても1974年通商法301条に基づく調査を実施し、対抗措置を検討している。これに対し、英国政府はDST導入当初から、多国籍テック企業への課税は国際的な法人税改革によって解決すべきと主張し、G7でも優先的にこの問題を取り上げるとしている(2021年3月31日記事参照)。

(注)デジタルサービス法案(DSA)については2020年12月22日記事参照。デジタル市場法案(DMA)については2020年12月22日記事参照

(松岡智恵子)

(米国、EU、英国)

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