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検査の義務化に経済界が牽制、政府は新型コロナ対策の全国統一化へ

(ドイツ)

ベルリン発

2021年04月12日

ドイツのアンゲラ・メルケル首相と州首相の3月22日の協議により取り決められた、新型コロナウイルス感染に関して企業が自主的に行う「在宅勤務が不可能な従業員に対する定期的(週1~2回)な抗原検査の提供」(2021年3月25日記事参照)の実施状況について、経済団体や労働・社会省と経済・エネルギー省による調査結果の発表が相次いだ。

ドイツ雇用者協会連盟(BDA)、ドイツ産業連盟(BDI)、ドイツ商工会議所連合会(DIHK)、ドイツ手工業中央連盟(ZDH)は4月6日、職場における新型コロナウイルス検査の実施状況に関するアンケート結果の中間報告を共同発表した。「検査を提供している」、あるいは「提供予定」と回答したのは、3月31日時点で全回答企業の87%、大企業では回答企業の91%に上った。同4団体は既に3月9日に、定期的な検査を従業員に提供するよう企業に呼び掛けており、経済界による自主的な取り組みが「奏功している」(BDI)と評価している。一方で、中間報告では、検査キットの供給不足、多くの事業所・支店を持つ企業やシフト制勤務体制を敷く企業にとって、検査体制の整備が困難で、実施のための負担が大きいこと、検査に応じない従業員がいるため徹底が困難、労働法やデータ保護法などに関する法制面での取り扱いが曖昧、検査実施費用といった諸課題も提示された。

ドイツ自動車産業連合会(VDA)も4月7日に、75%が検査を提供済み、22%が提供予定という会員企業の実施状況に関するアンケート結果を公表。「自主的な取り組みは機能している」として、企業に対し従業員への検査の実施と報告を連邦レベルで法的に義務化することを牽制した。

労働・社会省と経済・エネルギー省は4月8日に、企業(1,000社)と従業員(2,500人)に対する調査結果を発表した。従業員に対する調査によると、回答者の84%が企業による検査の提供を歓迎しているが、実際に検査に応じているのは46%にとどまる結果となっている。

ドイツ国内では、独自の検査ルールを定めて行動規制緩和を開始する州があり、新型コロナ感染防止対策は州によるばらつきが生じ始めている(注)。他方で、集中治療を受ける新型コロナ患者の増加は歯止めがかからず、医療崩壊が目前とされる。このような状況を踏まえ、メルケル首相と州首相は4月12日に予定していた協議を取りやめ、今後、全国的に統一された措置を図るべく、感染症予防法の強化に向けた準備を行う予定だ。

(注)現状では、新型コロナ感染防止のための店舗の開業要件や休校、在宅勤務の要請などの各種の具体的な措置は、連邦レベルではなく各州で定めている。

(中村容子)

(ドイツ)

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