プノンペン経済特区、1日で1,200人超の新型コロナワクチン接種完了

(カンボジア)

プノンペン発

2021年04月14日

カンボジアのプノンペン経済特区社(注1)は4月7日、同経済特区内に新型コロナウイルスのワクチン接種会場を設置して接種を開始した。カンボジア労働省は4月5日付の通達で、プノンペンの工場や企業で働く労働者に毎月20万回分のワクチン接種ができる医療態勢の準備を進めると発表し、4月第2週には同経済特区を含む主要な工業団地・企業でワクチンの接種を行うとしていた。

写真 ワクチン接種会場の様子(プノンペン経済特区社提供)

ワクチン接種会場の様子(プノンペン経済特区社提供)

同経済特区内では、4月8日時点で5人が新型コロナウイルスに感染し、接触の疑いのある従業員は自主隔離している状況だ。同経済特区社によると、接種初日に1,244人のワクチン接種が完了した。今後、リスク回避の観点から特区内の入居企業によるワクチン接種はさらに進むと考えられる。一方で、労働省は接種をした労働者は翌日休むように指導しており、企業の事業計画に大きな影響を及ぼすため、接種をためらう企業も出てくると推察される。

カンボジアでは、2月20日にプノンペン都内で起きたクラスターをきっかけに、新型コロナウイルス感染者が急増している。4月8日時点の累計感染者数は3,028人、死者数は24人だが、2月20日~4月8日の間に感染者が2,596人、死者が24人増加した〔世界保健機関(WHO)ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

政府は感染拡大防止策として、移動制限や夜間外出禁止などの規制(注2)を出すとともに、ワクチン接種を急速に進める意向だ。

(注1)プノンペン経済特区社は、カンボジア国内に23カ所ある経済特区のうち、日系企業が一番多く入居するプノンペン経済特区を運営している。入居企業104社中、日系企業は44社(カンボジア経済特区マップ参照PDFファイル(6.0MB))。

(注2)在カンボジア日本大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(井上良太)

(カンボジア)

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