エティハド航空がテルアビブ行きの定期便を就航

(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル)

ドバイ発

2021年04月07日

アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のフラッグ・キャリアであるエティハド航空は4月6日、テルアビブ行きの定期便を就航した。UAEとイスラエル両国の主要紙が報じており、今後はアブダビ空港とテルアビブ・ベングリオン空港との間を週2便運航する。アブダビ政府は就航前日の4月5日、外国からの入国者に対して課している10日間の隔離措置を免除する対象国リスト「グリーンリスト」にイスラエルを追加していた。

定期便の初便となったテルアビブ行きのフライトには、駐イスラエル・UAE大使に指名されたモハメド・マフムド・アル・カジャ氏とUAEの外交団に加え、2021年1月に指名されたエイタン・ナーエ駐UAE・イスラエル臨時大使(2021年1月26日記事参照)、エティハド航空のトニー・ダグラスCEO(最高経営責任者)らが搭乗していた。アル・カジャ大使は「『新型コロナ禍』から回復するに従って、ビジネス、外交、テクノロジー、医療、観光など多くの面で両国の交流が活発化することを期待している」と語った。

2020年8月に発表された両国の国交正常化合意(2020年8月14日記事参照)と9月の「アブラハム合意」署名による両国の国交正常化(2020年9月17日記事参照)の流れを受け、8月31日にはイスラエルのエルアル航空がアブダビに(2020年9月2日記事参照)、10月20日にはエティハド航空もテルアビブに初の直行特別商業便を運航するなど(2020年10月23日記事参照)、フライト運航が相次いでいた。

2020年11月26日にはドバイの格安航空会社フライドバイが定期便の運航を開始し(2020年11月30日記事参照)、他の航空会社でも定期便就航の機運が高まっていたが、その後、イスラエルで新型コロナウイルスの新規感染者数が大幅に増加し、12月に3回目のロックダウン(2020年12月25日記事参照)となり、テルアビブのベングリオン空港も国際航空便を一時停止するなど、定期便の就航が実現していなかった。2021年3月に入り、ロックダウンなどの行動制限が緩和となり、ベングリオン空港も国際航空便の受け入れを徐々に再開したため、ようやく今回の定期便就航に至ったかたちになった。

(山村千晴)

(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル)

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