米西海岸4州、J&J製の新型コロナワクチン投与の一時停止発表

(米国)

サンフランシスコ発

2021年04月15日

米国西海岸4州(カリフォルニア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますオレゴン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますワシントン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますネバダPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))は4月13日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンの投与を一時停止することをそれぞれ発表した(注1)。疾病予防管理センター(CDC)と食品医薬品局(FDA)が同日に、J&J製ワクチン接種後に血栓が発生した6例について調査を行うとし、同ワクチン使用の一時的な停止を勧告する共同声明を発表したことを受けた措置となる(2021年4月14日記事参照)。

カリフォルニア州では、4月13日までに新型コロナウイルス感染者数は約360万人、死者数は約6万人となっている。ピーク時(2020年12月末~2021年1月初め)に17%程度だった検査陽性率(7日間移動平均)は、4月12日には1.7%まで低下している。同州のワクチン投与回数は13日までに合計約2,400万回。同州人口の約40%が少なくとも1回目の接種を終えている(注2)。現地報道によると、同州のJ&J製ワクチン投与数は全体の10%で、ファイザー製が48%、モデルナ製が41%を占めている(「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版4月13日)。

同州のギャビン・ニューサム知事は13日の記者会見で、「カリフォルニア州での週単位のワクチン配布に占めるJ&J製ワクチンは4%程度。今週は先週よりも多くのファイザー製、モデルナ製のワクチンを受け取る予定で、今週予定している州全域での16歳以上への接種対象の拡大(注3)を遅らせることはない。また、6月15日までの経済の全面再開に影響はない」と述べた。ニューサム知事は4月1日にJ&J製ワクチンを接種している。

オレゴン州では、人口の35%が少なくとも1回目の接種を終えており、企業別の投与済みワクチンの割合は、J&J製が4%、ファイザー製が52%、モデルナ製が45%となっている(4月13日時点)。ワシントン州では、人口の34%が少なくとも1回目の接種を終え(4月10日時点)、J&J製は全体の約4%とみられる。ネバダ州では、人口の約32%が少なくとも1回目の接種を終えた(4月13日時点)。これまでに同州で投与されたJ&J製ワクチンの数については、現時点では同州保健局のウェブサイトなどでは公表されていない。

各州は住民に対し、J&J製ワクチン接種後3週間以内に深刻な頭痛や腹痛、足の痛み、息切れのような副反応がある場合は、医療機関で受診することを促している。

(注1)米国で緊急使用が許可されている新型コロナウイルスワクチンは、ファイザー製、モデルナ製、J&J製の3種類。

(注2)J&J製の場合は1回で接種完了。ファイザー製とモデルナ製は2回の接種が必要。

(注3)カリフォルニア州では、4月15日から16歳以上の全住民がワクチン接種対象となる(2021年4月9日記事参照)。

(田中三保子)

(米国)

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