中米地域8カ国との対話協議を開催、福島第1原発処理水への懸念を表明

(韓国、中米)

ソウル発

2021年04月26日

韓国の外交部は4月23日、チェ・ジョンゴン第1次官がコスタリカを訪問し、「第13回韓国・中米統合機構(SICA)(注1)対話協議体会議」を6年ぶりに開催、共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出したと発表した。

会議では、韓国と中米諸国との交流活性化の基盤構築のため、韓国版ニューディール政策とSICA加盟国のグリーンおよびデジタル関連政策の連携強化を通じた持続可能な発展を図り、経済の回復のために連携していくことで合意した。

パナマの協定批准を受けて2021年3月1日に全体が発効した韓国・中米自由貿易協定(FTA)に関連し、同FTAに未参加のグアテマラの参加意思表明を歓迎した(2021年3月1日記事参照)。

福島第1原発処理水の処分に関しては、チェ第1次官が会議の冒頭、「福島の放射能汚染水(注2)の海洋放流が近隣国だけではなく、世界の海洋生態系に取り返しのつかない被害をもたらす行為」と発言し、「汚染水の排出に対する安全性が徹底的に検証されなければならない」と強調した。共同声明では、「人体および海洋生態系に悪影響を及ぼす大量汚染物質の海洋放出が招く深刻な状況に対する深い憂慮を表明する」と表記した。

朝鮮半島情勢について、SICA加盟国は朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和体制の達成のための韓国政府の努力と成果を評価し、今後も平和プロセスの具体的な進展に向けた韓国政府の継続的な努力を支持するとした。

さらに、日程・場所を調整した上で、第14回韓国・SICA対話協議体会議を開催することで合意した。

(注1)中米統合機構(SICA):ベリーズ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグアの8カ国が加盟。

(注2)原文をそのまま引用。以下同じ。

(当間正明)

(韓国、中米)

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