中韓外相、2国間関係やグローバルアジェンダを議論

(韓国、中国)

ソウル発

2021年04月06日

韓国外交部は4月3日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)同部長官と中国の王毅国務委員兼外交部長が中国福建省アモイで会談したと発表した。会談では、(1)首脳・ハイレベル交流、実務レベルでの協力を含む中韓2国間関係、(2)朝鮮半島の非核化など朝鮮半島問題、(3)地域・国際問題など、相互の関心事項について意見が交わされた。

1.首脳交流

中国側は習近平国家主席の訪韓の意向を再度表明した。両国外相は新型コロナウイルスの感染状況が安定し、条件が整い次第、早期に実現するよう意思疎通を行うとした。さらに、日中韓サミットの早期開催に向けて、3国間の持続的な協力の必要性を再確認した。

2.経済関係

韓国側は、両国間のゲーム・映画・放送など文化コンテンツ分野の協力を活性化するため、中国側の積極的な協力を要請した。中国側は双方が持続的なコミュニケーションを希望すると述べた。

中韓外相は、(1)中韓経済協力共同計画(注1)を可能な限り早期に採択、(2)地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の早期発効に向け努力、(3)中韓自由貿易協定(FTA)第2段階交渉の加速化、(4)新南方政策・新北方政策と「一帯一路」で事業間の連携協力を持続的に模索することで合意した。

また、気候変動やPM2.5など環境分野での協力強化を確認し、中国側はP4G首脳会議(注2)の開催を積極的に支持するとした。

3.防疫協力

韓国側は「北東アジア防疫・保健協力イニシアチブ」(注3)に対する中国側の支持を評価し、持続的な支援と協力を希望した。中国側は同イニシアチブの推進を積極的に支持すると述べた。

(注1)中韓間の今後5年間の協力ビジョンとして事務レベルで策定中。

(注2)グリーン成長とグローバルゴールズ2030のためのパートナーシップ。国連の持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定の実現を目指し、世界資源研究所(WRI)が2018年に設立。

(注3)文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2020年の国連総会の演説で提唱(2020年9月29日記事参照)。

(当間正明)

(韓国、中国)

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