文大統領の国連演説、「北東アジア防疫・保健協力イニシアチブ」を提案

(韓国)

ソウル発

2020年09月29日

韓国の文在寅大統領は、9月22日の国連総会において、包摂性を強化した国際協力、気候変動問題、朝鮮半島和平を柱とする一般演説(録画放映形式)を行った。演説では、ポストコロナ時代の国連の役割は、保健協力、持続可能な発展のための経済協力、気候変動への対応など地球規模の難題を解決するため、人類普遍の価値を広めなければならない、と強調した。

包摂性を強化した国際協力について、何よりも重要なのは人類の生命と安全だとし、「新型コロナウイルスのワクチンと治療薬の開発のための国際協力のみならず、開発後の各国の『公平なアクセス権』が保障されるべきだ。国際機関が十分な量のワクチンを確保し、開発途上国にも供給しなければならない」と述べた。

気候変動問題については、「2050年低炭素社会の実現」に向けて、韓国は先進国と開発途上国を結ぶ架け橋として、開発途上国に韓国の経験を忠実に伝えていくとし、その上でも、2021年にソウルで開催される「P4G首脳会議(注)」は気候変動問題における国際連携の重要性を確認する場になると期待感を示した。

また、朝鮮半島問題に関して、「朝鮮半島の平和は未完成の状態にあるものの、韓国は対話を続けていく」と述べつつ、今後の朝鮮半島問題も包摂性を強化した国際協力の観点から考えることが重要として、北朝鮮を含め中国と日本、モンゴル、韓国がともに参加する「北東アジア防疫・保健協力イニシアチブ」を提案した。

(注)グリーン成長とグローバルゴールズ2030のためのパートナーシップ。国連の持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定の実現を目指し、世界資源研究所(WRI)が2018年に設立。

(当間正明)

(韓国)

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