トランプ前米大統領による一部の非移民ビザ取得希望者の入国停止措置が失効

(米国、日本)

ニューヨーク発

2021年04月05日

ドナルド・トランプ前米国大統領が2020年6月22日から発動していた、一部の非移民ビザ取得希望者の入国停止措置(2021年1月5日記事参照)が3月31日に期限を迎え、失効した。これにより、日本からも再び例外規定によらず、特殊技能職(H-1B)、熟練・非熟練労働者(H-2B)、交流訪問者(J)、企業内転勤者(L)の非移民ビザを取得して米国に入国することができるようになった。

「ウォールストリート・ジャーナル」紙が今回の非移民ビザの発給制限がもたらした雇用への影響を調査したところ、新型コロナウイルスにより影響を受けた米国民の就労機会を増進させるという狙いどおりの効果はなかったとされる(同紙電子版2月15日、3月31日)。入国停止措置の対象となったビザを利用する外国人が就く職の多くは、ソフトウエアエンジニアなど高い技能が要求されるポジションや、逆に、低賃金もしくは季節労働者向けであり、米国の失業者によって雇用を埋め合わせることはできなかったとの指摘だ。高技能職については、国内で労働者を見つけることができずに、国外にアウトソースした雇用主もいるという。

なお、今回の措置失効に関し、4月1日時点でジョー・バイデン大統領によるコメントは発表されていない。

国務省でビザ発給を担当するジュリー・スタフト次官補代理代行は措置失効以前の電話会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(3月1日)で、在外の米国大使館・領事館でのビザ申請処理の状況について説明し、非移民ビザを処理する全233拠点のうち、通常どおり処理を行っているのは43カ所にとどまることを明らかにしている。残りの拠点は緊急案件のみを受け付けているという(注)。

また、スタフト次官補代理代行は2月24日に移民ビザ取得希望者の入国停止措置が解除された(2021年2月26日記事参照)ことを受け、4月に同措置の影響を受けた移民ビザ申請の面接予約を入れ始めるとした。

(注)日本国内の米国大使館・領事館におけるビザ申請受け付けに関する最新情報については、在日米国大使館・領事館のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(吉田奈津絵)

(米国、日本)

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