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人材派遣と労働者利益分配金に関する連邦労働法改正案が下院通過

(メキシコ)

メキシコ発

2021年04月15日

メキシコで、人材派遣や労働者利益分配金(PTU)を規制する連邦労働法と関連税法の改正案が4月13日、下院を通過した。法案は同日午前に実質的な委員会審議が開始されたばかりだが(2021年4月14日記事参照)、採決のための最終法案が速やかに作成され、同夜の本会議で賛成347、反対77、棄権32の賛成多数で可決された。上院の審議と採決を経て改正法が成立する。

委員会審議の過程で、連邦労働法の規制対象外である政府機関の事業所での労働関係を規定する連邦公務員法の改正を盛り込み、政府機関でも人材派遣を原則禁止し、専門サービス・工事に限定して派遣を認めるようにした。また、改正法施行後の経過措置を定める付則を一部改定した。改正法は官報公布の翌日に発効するが、税法に関する規定(所得税における費用控除の扱い、付加価値税における仮払い処理の扱い)については8月1日に発効、政府機関での人材派遣の禁止は2022年度から発効することとなった(付則1条)。労働社会保障省は、改正施行後30日以内に専門サービス・工事請負企業の登録義務に関する細則を公示し(付則2条)、同細則が公示された後90日以内にこれらの企業は登録を完了する必要がある(付則3条)。人材派遣会社の労働者を派遣先企業が正社員として受け入れる場合、雇用主変更の手続きを改正法施行後90日以内に行う必要がある(付則4条)。

世界雇用連合が一時的な人材派遣を認めるよう要請

世界の大手人材関連会社で構成する世界雇用連合(WEC)は4月13日、現在審議されている労働法改正案の内容に懸念を表明し、派遣先企業の事業目的や優先的経済活動のためであっても、一時的な就労目的であれば派遣を認めるよう内容を改めることをメキシコ国会に要請した(WEOプレスリリース4月13日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。WEOは、一時的就労を手助けする人材派遣会社が多くの労働者にとって仕事を見つける重要な手段となっており、一時的就労の間にさまざまな職種や産業での経験を習得する機会を与えているほか、学生や主婦などに生活を豊かにする追加収入を与える手段にもなっていると主張する。OECDなど国際機関も労働市場の正規化に向けた一時的人材派遣の重要性を認めており、これらの一時就労者の73%が就労経験12カ月未満、約3分の1が失業者や非就労者、あるいはインフォーマル労働者から移行してきた労働者だとし、これらの人々の正規労働市場への参入に向けた重要な役割を果たしているとしている。

メキシコ人材企業協会(AMECH)のエクトル・マルティネス会長は、人材派遣が禁止された場合、派遣会社を介して就労している約460万人の労働者のうち、わずか30%が派遣先企業に正社員として雇用され、10%が失業し、残り60%は非合法な就労形態で雇用されることになるだろうとして、新型コロナウイルス禍で深刻な影響を受けた労働市場にさらなる悪影響を与えると警告している(「エル・フィナンシエロ」紙2021年4月12日)。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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