USMCAの発効により乳製品などのカナダへのアクセスが拡大、2021年外国貿易障壁報告書(カナダ編)
(米国、カナダ)
米州課
2021年04月02日
米国通商代表部(USTR)が3月31日に発表した2021年版外国貿易障壁報告書(NTE)では、カナダに関する記述は前年から1ページ減り8ページだった。構成は前年と同じく(1)貿易概観、(2)貿易協定、(3)輸入政策、(4)貿易の技術的障壁(TBT)・衛生植物検疫(SPS)障壁、(5)政府調達、(6)知的財産権保護、(7)サービス障壁、(8)デジタル貿易の障壁、(9)投資障壁の9項目だったが、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)で合意に至った急送貨物の非課税基準については、今年の報告では削除された。
2020年の米国の財の対カナダ貿易赤字は、前年比44.1%減の150億ドルにとどまった。カナダは米国最大の財の輸出相手国だが、2020年の輸出額は2,554億ドルと12.7%減少し、カナダからの輸入額も2,704億ドルと15.4%減少した。
今回のNTEでは、主な成果として、USMCAが2020年7月1日に発効し、NAFTAによる関税撤廃措置が維持されるとともに、米国の乳製品や家禽類、卵製品のカナダへのアクセスが拡大したことなどを挙げた。
一方、懸念障壁としては、カナダ政府がひも付き窓カバー製品に対する新たな規制措置を2021年5月から導入することを取り上げた。また、カナダ政府がレジ袋やストローなどのプラスチック製品の使用を禁止しようとしていることに対し、米国政府はこれらの問題についてカナダ政府と関わり、新たな規制の影響を注意深く監視するとした。
NTEは、総論編と各国・地域編から成り、総論編は2020年4月2日記事参照。
(中溝丘)
(米国、カナダ)
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