常住人口300万人未満の都市の戸籍取得制限の全面撤廃をあらためて明確化
(中国)
北京発
2021年04月30日
中国国家発展改革委員会は4月13日、「2021年の新型都市化および都市・農村部の融合的な発展に向けた重点任務」を発表した。具体的な取り組みとして、秩序よく効率的に農村人口の都市への移転を促進すること、都市群・都市圏の農村人口受け入れ能力を引き上げること、大・中・小規模都市と小城鎮(都市よりも小さな町)の協調的な発展を促進すること、現代的な都市の建設を加速すること、都市のガバナンス水準を高めること、都市と農村部の融合発展を加速することなど6分野が盛り込まれた。
農村人口の都市への移転については、都市の規模に応じた戸籍制限の撤廃・緩和を進めるとし、常住人口が300万人未満の都市では戸籍取得制限の全面撤廃を確実に実施することをあらためて明確にした(注1)。第14次5カ年(2021~2025年)規画の目標に、都市部の常住人口都市化率を2025年までに65.0%に引き上げると盛り込まれたことを受けたものだ(注2)。
「都市建設統計年鑑」によると、2019年末時点で全国において常住人口が300万人以上の都市は、「超大都市」が上海市、北京市、重慶市、広東省広州市、深セン市、天津市の6都市、「特大都市」が広東省東莞市、湖北省武漢市、四川省成都市、浙江省杭州市、江蘇省南京市、河南省鄭州市、陝西省西安市、山東省済南市、青島市、遼寧省瀋陽市の10都市、「大都市」が黒竜江省ハルビン市、吉林省長春市、遼寧省大連市、安徽省合肥市、雲南省昆明市、山西省太原市、湖南省長沙市、江蘇省蘇州市、広西チワン族自治区南寧市、新疆ウイグル自治区ウルムチ市、河北省石家荘市、福建省福州市、アモイ市、浙江省寧波市の14都市で、合計30都市となっている(注3、「21世紀経済報道」4月13日)。今後、これら30都市を除く、その他の都市については、戸籍取得制限が撤廃されることになる(注4)。
(注1)国家発展改革委員会は2019年3月に発表した「2019年新型都市化の重点任務」において、常住人口が300万人未満の都市では戸籍の取得制限を全面撤廃する方針を打ち出していた(2020年1月20日記事参照)。
(注2)国家発展改革委員会は、近日開催した新型都市化の進展に関する総括会議において、1億人の農村人口の都市への転籍を順調に実現し、2020年末時点で都市化率を常住人口ベースで60%以上、戸籍人口ベースで 45.4%に引き上げたと発表した。2014年3月に発表された「国家新型都市化規画(2014~2020 年)」では、都市化率を 2020 年までに常住人口ベースで60%前後,戸籍人口ベースで 45%前後に引き上げるという目標を設定していた。
(注3)国務院が2014年11月に発表した「都市規模の分類基準の調整に関する通知」では、常住人口が300万人以上、500万人未満の都市を「大都市」、500万人以上、1,000万人未満の都市を「特大都市」、1,000万人以上の都市を「超大都市」と分類している。
(注4)2019年12月25日に公布された「労働力と人材の流動化体制の改革促進に関する意見」においては、300万~500万人の都市についても、戸籍取得制限を全面的に緩和することが盛り込まれている。
(張敏)
(中国)
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