ベトナムにCOVAX経由の新型コロナワクチンが初到着

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年04月05日

ベトナム政府は4月1日、世界保健機関(WHO)やユニセフなどが主導する国際的な新型コロナウイルスワクチンの調達・供給枠組み「COVAXファシリティー」を通じて、英国アストラゼネカ製ワクチン81万1,200回分の引き渡しを受けた。同枠組みによるベトナムへのワクチン供給は今回が初めてで、同日付の政府ウェブニュースなどが報じた。

ハノイ市のノイバイ国際空港に今回到着したワクチンは、同市の国立衛生疫学研究所に輸送・保管された後、全国の各市・各省に配布される。COVAXファシリティーにより、ベトナムには5月までにさらに336万4,800回分のワクチンが到着する見込みで、2022年初頭までに計3,000万回分の供給が計画されている(政府ウェブニュース、保健省機関紙「健康と生活」4月1日)。

保健省は、COVAXファシリティー経由のワクチンについて、決定1210/QD-BYTでワクチン接種の優先対象者や接種スケジュールなどを定めており、まずは医療従事者と感染予防従事者を最優先として、第2四半期(4~6月)にかけて外交関係者などの政府機関職員や軍関係者・公安職員などに接種対象を広げていくこととしている(2021年2月25日記事参照)。

ベトナムでは、COVAXファシリティーの枠組みとは別に、「ベトナム・ワクチン」が「アストラゼネカ」との間で3,000万回分のワクチン購入契約を行っており、2月24日に輸入ワクチンの第1弾(11万7,600回分)が到着。3月8日から医療従事者を中心にワクチン接種を開始した(2021年3月10日記事参照)。保健省の機関紙によると、4月1日時点で19市・省の5万1,216人に対して接種を実施しており、今後、COVAXファシリティー経由ワクチンの配布が進むことで、接種が加速していくことが見込まれる。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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