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2021年度連邦予算案、今後3年間で1,014億カナダ・ドルの景気刺激策

(カナダ)

トロント発

2021年04月26日

カナダのクリスティア・フリーランド副首相兼財務相は4月19日、「雇用・成長・強靭(きょうじん)性のための復興計画」と題した2021年度(2021年4月~2022年3月)連邦予算案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを連邦議会下院に提出した。2020年度は新型コロナウイルス禍の影響で予算案の発表が中止となり、緊急支出法案の可決(2020年4月14日記事参照)で対応したため、2年ぶりの発表となった。フリーランド大臣は2021年度予算案の目的について「新型コロナウイルスとの闘いを終え、『コロナ不況』で残された経済的な傷を癒し、より多くの雇用と繁栄を生み出すことだ」と説明した。

予算案で歳入は前年度比19.9%増の3,551億カナダ・ドル(約30兆5,386億円、Cドル、1Cドル=約86円)、歳出は同21.6%減の4,976億Cドルとなっている(添付資料表参照)。財政収支は1,547億Cドルの赤字と、2020年度の3,542億Cドルの赤字に比べ改善する見通しだ。収支は2025年度までに307億Cドルの赤字へ縮小するものの、債務残高は2020年度末に1兆790億Cドルに達し、2025年度末に1兆4,110億Cドルまで拡大すると見込む。

フリーランド大臣が2020年秋の経済声明(Fall Economic Statement 2020)で公表したとおり(2020年12月8日記事参照)、予算案には2023年度までの3年間で1,014億Cドルに上る景気刺激策が盛り込まれている。具体的な政策としては、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため既に給付中のカナダ緊急賃金助成金(CEWS)やカナダ緊急家賃助成金(CERS)の期限を9月25日まで延長する。そのほか、託児制度整備に今後5年間で300億Cドル、先住民と非先住民の格差是正に同180億Cドルを充てる。気候変動対策・国土海洋保全には複数年をかけて176億Cドルを投じる。

過剰な刺激策による累積債務拡大の懸念もある中、同大臣は19日に下院で行った演説で「今日の低金利環境では、投資を行う余裕があるだけでなく、むしろ投資しないことは近視眼的だ」と訴えた。また、単年度収支と債務残高が2025年度までに対GDP比でそれぞれ1.1%と49.2%にまで低下する見込みであることを根拠に、今回の予算案に基づく投資は持続可能だと説明した。

歳入面では、2022年1月から大手IT企業を対象にカナダのユーザーからの売り上げに対して3%を課すデジタルサービス税を導入する予定だ。また、自家用の高級車や航空機、船舶に10~20%の奢侈(しゃし)税を課すとしている。外国人が保有し、かつ住居として使用していない住宅不動産にも時価総額の1%を課税するとした。

予算案の発表を受けて、カナダ商工会議所(CCC)のペリン・ビーティー会頭兼最高経営責任者(CEO)は「予算が成長と雇用に焦点を当てているのは景気回復に向けた重要なステップだが、財政安定化には経済成長の牽引役を公的支出から民間投資に転換していく必要がある。今後数年間で財政赤字を削減する計画は重要だが、それはわれわれの成長目標の達成次第だ」とコメントした(4月19日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(飯田洋子)

(カナダ)

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