ライブコマース管理弁法を発表、管理規制強化の動き

(中国)

中国北アジア課

2021年04月30日

中国の国家インターネット情報弁公室、公安部、商務部など7部門は4月23日、消費者の権益保護やライブコマース産業の健全な発展を促すべく、「インターネットライブコマース管理弁法(試行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、弁法)を発表した。5月25日に施行される。

弁法では、プラットフォーム企業に対し、健全なアカウントの登録、情報の安全管理、営業行為の規範化、未成年者保護、消費者の権益保護、個人情報の保護、インターネットとデータの安全管理などのスキームや措置を構築するよう求めている(第6条)。また、販売する商品とサービスについて、インターネットで取引が禁止されている、あるいは、適さないものを示すネガティブリストを作るよう求めている(第7条)。

弁法は未成年者保護を目的として、ライブコマースの運営者や営業者を16歳以上の自然人とする年齢制限を設けた。16歳以上18歳未満の未成年者については、後見人の同意を得る必要があると定めている(第17条)。

消費者保護では、プラットフォーム企業は消費者の合法的な権益を保護すべく、トラブル発生時に必要な証拠を提出する必要があるとした(第15条)。プラットフォームの運営者や営業者は法律に基づき消費者の権益を保護する責任と義務を負うとし、消費者の合法的な要求への対応を遅らせる、または理由なしに拒否することを禁止した(第23条)。

近年、中国では新たなECツールとしてライブコマースが急成長を遂げており、2021年には2兆元(約34兆円、1元=約17円)規模の市場に成長するとの予測もある(2020年10月22日記事参照)。国家インターネット情報弁公室の担当者は弁法発表の記者会見で、ライブコマースが就業促進や内需拡大などの面で積極的な効果を発揮したことを認めた上で、ライブコマース販売者の言語や行動が模範的でなく、未成年者を利用した利益獲得やプラットフォーム企業の主体責任が十分でないなどの問題が弁法制定の背景にあると説明した。

(方越)

(中国)

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