中国のライブコマース、2021年に2兆元規模へ

(中国)

上海発

2020年10月22日

大手会計事務所のKPMGは10月12日、アリババ集団傘下のアリ研究院と、KOL(インフルエンサー)によるライブコマースに関するレポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。同報告書によれば、2019年の中国のライブコマースの市場規模は4,338億元(約6兆9,408億円、1元=約16円)で、2020年は1兆500億元、2021年には2兆元規模に急拡大すると予測する。

同報告書によれば、「ライブコマースによる売り上げ促進効果があった」と回答した企業は7割に達したと紹介されており、「今後1年間、ライブコマース業界の高成長が続く」とした企業も5割に上った。2020年前半は、新型コロナウイルスの影響により外出が制限されため電子商取引(EC)利用が拡大、ライブコマースの認知度が一気に広まった。

中国商務部は、2020年上半期のライブコマースイベントの開催回数は1,000万回、ライブコマースで活躍するキャスターは40万人、視聴回数は500億回、販売商品は2,000万アイテムを超えた、としている。

KPMG中国首席エコノミストの康勇氏は「ライブコマースは、写真、動画に比べ、キャスターがリアルタイムにコミュニケーションして直接、消費者に訴えるところが、消費者の関心を引いている」と分析する(「新浪財経」10月14日)。

「双十一」でライブコマースがさらに加熱か

毎年恒例の11月11日に開催される大規模なセール活動「双十一」(ダブルイレブン)を前に、各ECサイトでは既に販促活動が始まっている。タオバオのライブコマースイベントの責任者である新川氏は「今年の双十一は、さらに多くの企業がライブコマースに参入しており、売上総額は昨年の実績を上回る」と予測している(「北京商報」10月14日)。

(龐婷婷)

(中国)

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