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日ロで海洋プラスチックごみ問題を議論、日本の技術へ期待

(ロシア、日本)

サンクトペテルブルク発

2021年04月13日

ロシアでも近年、プラスチックごみ問題への関心が高まっている。在サンクトペテルブルク日本総領事館とサンクトペテルブルク市政府は3月24日、海洋プラスチックごみ問題に関する日ロ地域交流環境会議「きれいな海」を開催した。ロシア北西部最大の環境関連イベント「大都市環境国際フォーラム」の枠内で実施されたもの。両国から自治体や大学・NGO団体などが課題や事例を共有・議論した。ロシア側からは、日本の技術へ期待する声も上がった。

日本側は、海洋プラスチックごみに関する研究や取り組みをオンラインで報告した。東京農工大学の高田秀重教授は、プラスチックの消費量自体を減らすことが課題だと述べ、個人の意識向上に加えて、行政による取り組みの重要性を指摘した。また、日本の自治体(北海道、富山県、大阪市、沖縄県、山形県酒田市)はレジ袋有料化やリサイクル促進施策、海岸清掃活動などを紹介した。

ロシア側は、バルト海を中心とする海洋プラスチックごみ問題の状況や課題を紹介。サンクトペテルブルク市環境保護委員会のミハイル・ストラホフ第1副委員長は、バルト海に漂着するマイクロプラスチックの量は少なくとも毎年40トンに上ると述べ、同市にとって喫緊の課題だと警鐘を鳴らした。さらに、ロシア国内でプラスチック処理に関する環境配慮基準がない点を指摘し、日本を含めた国際協力によるロシア側のノウハウ習得の必要性を訴えた。また、建設廃棄物のリサイクル技術など、日本企業の持つ環境対策技術やごみの処理・利活用技術全般に強い関心を示した。

在サンクトペテルブルク日本総領事館の飯島泰雅総領事はジェトロのインタビューに対し、2021年が「日露地域・姉妹都市交流年」であることを踏まえ、海洋プラスチックごみ問題に関する知見の交換を促すことを目的として本イベントを開催した、と述べた。その上で、高水準な環境対策技術を持つ日本企業にとってのビジネスチャンスになることに期待を寄せた。

写真 ロシア側からの登壇者(在サンクトペテルブルク日本総領事館提供)

ロシア側からの登壇者(在サンクトペテルブルク日本総領事館提供)

これまでロシアでは、ごみを分別する習慣がないなど廃棄物処理への関心は低かったが、近年は社会課題として捉える動きがみられる。2019年にはモスクワ市がごみの分別収集の義務付けを発表したほか、企業レベルでの取り組みも広まりつつある(2019年6月20日記事参照)。2021年1月には、ビクトリア・アブラムチェンコ副首相が、2030年までに廃棄物の半減を目指すと発言。特に、廃棄物の半分を占めるプラスチックごみの削減に向け、リサイクルの難しい着色ペットボトルの生産を規制する可能性を示唆している(「タス通信」2021年1月29日)。

写真 サンクトペテルブルク市内のプラスチックごみ回収コンテナ(ジェトロ撮影)

サンクトペテルブルク市内のプラスチックごみ回収コンテナ(ジェトロ撮影)

(一瀬友太)

(ロシア、日本)

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