モスクワでごみの分別収集を2020年から義務付け

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年06月20日

これまでごみの分別がほとんど行われてこなかったロシアで、分別収集を導入する動きが出ている。モスクワ市政府は6月18日、固形生活廃棄物の分別収集への移行に関する決定を採択したと発表した。モスクワ市では2020年1月1日から、ごみの分別回収が義務付けられる。対象となるのは、2次資源として活用(リサイクル)可能なプラスチック、ガラス、紙類、段ボール、アルミ缶などの金属で、開始日までに収集に必要な分別用のごみ箱をモスクワ市内の住宅区域に設置するとしている。学校や病院、小売店舗、商業施設などでも分別回収を可能とするシステムを整備する予定だ。

ロシアではこれまで、燃えるもの、燃えないもの、リサイクル可能なものなどを分別せず、全て一緒に捨てる状況だった。モスクワ近郊には焼却場が設置されているが、ロシアは広大な面積を有するために焼却や再資源化などが進まず、廃棄物の9割がそのまま処分場に埋め立てられていた。この状況に対し、国民の環境意識の高まりもあり、近年、ごみの分別収集を試験的に導入する自治体が見られ始め、モスクワ州では1月から分別収集制度が導入されている(2019年1月22日付地域・分析レポート参照)。さらに、2018年のサッカー・ワールドカップ・ロシア大会を契機に、モスクワ環状鉄道の各駅やスタジアムなどで分別可能なごみ箱の設置が進んだ。

写真 サッカー・ワールドカップ・ロシア大会を契機に設置された分別用ごみ箱(ジェトロ撮影)

サッカー・ワールドカップ・ロシア大会を契機に設置された分別用ごみ箱(ジェトロ撮影)

モスクワ市で分別回収事業を担当する住宅公共サービス局は今後、市民や法人、個人事業主に分別ルールを通知するとし、アレクサンドル・ソロビヨフ局長は「全市民がごみを分別できるという状況にはないため、広告などを通じて最大限、啓発・情報提供するつもりだ」と述べている(「コメルサント」紙6月19日)。

自治体だけでなく、企業レベルの取り組みも行われている。ロシア最大手小売りチェーンのマグニトは6月17日、ベルギーのビール最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)と、トルコのビール大手エフェスとともに、モスクワ市、モスクワ州、クラスノダル地方の自社グループ店舗に、アルミ缶やプラスチックボトルの再利用に向けた回収機を設置。回収機にこれらを入れると割引クーポンが発行されるシステムを試験導入したと発表した。ロシア小売り大手X5リテールグループも、英国・オランダの消費財大手ユニリーバとプラスチックボトルの回収機を導入すると報じられている(「コメルサント」紙6月6日)。また、連邦政府が小売店舗に空き瓶回収を義務付ける可能性も取り沙汰されている(「コメルサント」紙6月8日)。

(齋藤寛)

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