EUとユーロ圏の2月の失業率、前月比横ばい

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2021年04月12日

EU統計局(ユーロスタット)の4月6日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2月のEU27カ国全体の失業率(季節調整済み)は前月から横ばいで7.5%、ユーロ圏19カ国でも横ばいの8.3%だった(添付資料表参照)。なお、1月のEUとユーロ圏の失業率は、3月時点の発表値に比べそれぞれ0.2ポイント上方修正されている。

2月の失業率を加盟国別にみると、1月に引き続きポーランドが3.1%と最も低かった。同国の失業率は2020年8月以降、継続的に改善が進んでおり、2月の失業率は、新型コロナウイルス感染拡大の直前だった前年同月と比べて0.1ポイントの悪化まで回復している。ポーランド開発・労働・技術省は同国の経済は他の加盟国に比べて新型コロナ禍による損害ははるかに少ないと評価している(2021年3月8日記事参照)。最も失業率が高い加盟国はスペインの16.1%だった。

失業率が前月から悪化した加盟国は、ラトビア(0.2ポイント増)などの7カ国だった。他方、9カ国では前月比で失業率が改善し、中でもハンガリーは0.4ポイント改善した。

2月のEUの失業者数は1,595万3,000人で、前月比3万4,000人増、そのうちユーロ圏は1,357万1,000人で、4万8,000人の増加となった。同月の25歳未満の若年層の失業者数はEUで296万7,000人となり、このうち239万4,000人がユーロ圏の失業者だった。若年層の失業者数の増減を前月比でみると、EUでは3万4,000人の減少、そのうちユーロ圏で9,000人の減少となった。

若年層の失業率を加盟国別にみると、スペイン(58万5,000人、若年層失業率:39.6%)、フランス(54万2,000人、19.2%)、イタリア(42万4,000人、31.6%)が引き続き大部分を占めた。フランスでは、若年層失業率が前月から0.7ポイント悪化した一方、スペインとイタリアは前月からそれぞれ0.3ポイント、1.1ポイント改善した。若年層失業率が最も低かったのはドイツ(6.1%)で、最も高かったのはスペイン(39.6%)だった。

なお、新型コロナ危機がEU労働市場に及ぼした影響の詳細は、2020年第3四半期(7~9月)の「労働力調査(LFS)」も参照(2021年1月15日記事参照)。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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