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米環境保護庁長官にマイケル・リーガン氏が就任

(米国)

ニューヨーク発

2021年03月16日

米国上院は3月10日、ノースカロライナ州で環境品質長官を務めるマイケル・リーガン氏を環境保護庁(EPA)長官に充てる人事案を賛成多数で承認した。EPA初の黒人の長官となる。上院は、2月25日にエネルギー省長官に元ミシガン州知事のジェニファー・グランホルム氏を承認しており、環境政策を主導する2閣僚が決まったことで、バイデン政権の環境政策の今後の動向がさらに注目される。

リーガン氏は元EPA職員で環境政策に精通しており、これまでノースカロライナ州の環境品質長官を務め、環境政策の最前線で指揮をとってきた。特に、同州におけるゼロエミッション計画を策定し、環境政策の策定や施行において、人種や出身国、所得にかかわらず、全ての人々が公平な待遇を受けるべきとする「環境正義」を促進してきた実績がある。上院の指名公聴会では、ステークホルダーとの調整の重要性とともに、EPA内の政策実行の透明性の重要性を強調した。EPAは、具体的な規制策定やその実行、またそうした過程から発生する訴訟対応など、さまざまな利害調整が必要になってくるだけに、リーガン氏の手腕が期待される。

また、2月25日には、2003年から2011年までミシガン州知事を2期務めたジェニファー・グランホルム氏のエネルギー長官就任が承認された。同省は、エネルギーの管理、研究開発などエネルギー政策全般を担当し、環境政策でも重要な役割を担っている。ミシガン州知事時代には電気自動車(EV)の普及に注力したほか、民間で再生エネルギーやEV関連企業の幹部などを務めた経歴を有する。上院の指名公聴会では、クリーンエネルギーへの移行期間中も石油やガス、石炭は国内エネルギーのポートフォリオの一部であり続けることを強調し、再生エネルギーへの移行により雇用喪失が懸念される化石燃料産業への配慮を示した。なお、運輸長官には、インディアナ州サウスベンド市長を務めたピート・ブティジェッジ氏が就任しており、EVなど交通輸送分野でグランホルム氏とどのように協働していくかが注目される。

ホワイトハウスでは、既にジョン・ケリー気候変動担当大統領特使、ジーナ・マッカーシー国家気候担当大統領補佐官が就任している。ケリー特使は、気候変動に係る国際問題を担当し、直近では欧州との連携強化を図る目的で3月8~10日の日程でロンドン、ブリュッセル、パリを訪問した(2021年3月10日記事参照)。元EPA長官のマッカーシー国家気候担当大統領補佐官は、新設された大統領府内の国家気候政策局を率いるとともに、各省庁が参加する国家気候タスクフォースの議長を務める。

その他の環境関連の重要閣僚ポストでは、連邦政府公有地や天然資源について管理責任を負う内務長官として、下院議員で先住民出身のデブ・ハーランド氏、環境政策に関する方針を策定し大統領に助言を行う環境諮問委員会(CEQ)の委員長として、オバマ政権時代にCEQの顧問弁護士を務めたブレンダ・マロリー氏が、それぞれ上院の承認待ちとなっている。特にハーランド氏は環境左派に属するとされ、内務長官就任には共和党や石油業界から懸念の声が上がっており、今後の両氏の承認手続きの行方に注目が集まっている。

(宮野慶太)

(米国)

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