米財務省、新たにミャンマー国軍関係2社を制裁対象に指定

(米国、ミャンマー)

ニューヨーク発

2021年03月26日

米国財務省は3月25日、ミャンマーに対する追加制裁を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。既に商務省が3月8日に輸出管理規則上のエンティティ・リストに掲載していたミャンマー経済ホールディングス(MEHL)とミャンマー経済公社(MEC)の2社を特別指定国民(SDN)に指定した(2021年3月9日記事参照)。また、制裁対象外となる取引・活動を規定する4種類の一般許可(General License)も併せて発行した。

アントニー・ブリンケン国務長官は同日の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、同措置を「これまでの措置の中で最も重いコストを軍政にかけるものだ」と強調した。財務省によると、MEHLとMECは銀行、貿易、物流、建設、鉱業、観光業、農業、たばこ、食品、飲料、製造業、通信業といったミャンマー国内の幅広い産業に関与しており、その利益を国軍に収めているとされる。ブリンケン長官は英国も同日にMEHLに同様の制裁を加えたことに言及し、「米国は世界のパートナーと協働してミャンマー国軍と警察に圧力をかけ、平和的な抗議者への暴力停止、民主主義への回帰と法の支配の支持、収監した政治関係者の即時解放を求めていく」としている。

SDNに指定されたMEHLとMECには、(1)在米資産の凍結、(2)資金・物品・サービスの取引禁止が科される。また、この2社が直接または間接的に50%以上を所有する事業体も同じ制裁の対象となる。

制裁対象2社との取引を6月22日まで認める一般許可も発行

財務省はMEHLとMECの影響力の大きさを鑑み、2社に対して追加制裁と同時に、一般許可第4号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発行した。一般許可とは、所定の要件を満たす取引・活動を制裁の対象外として一般的に許可する措置となる。財務省への申請は不要で、自己責任での判断となる。第4号によると、MEHLとMECまたはそれらが50%以上所有する事業体との間で、日常的に発生している取引であり、終了に向けて段階的に縮小しているものであれば、米東部時間6月22日午前0時1分まで許可されるとしている。

このほか、2月11日の大統領令14014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2021年2月12日記事参照)に基づく対ミャンマー制裁全般に関して、米国政府による取引(第1号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))、特定の国際機関による公的な活動(第2号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))、NGOによる特定の活動(第3号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))に関しても、一般許可を発行した。これら3点については、有効期限は示されていない。

(磯部真一)

(米国、ミャンマー)

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