デジタル人民元の応用、上海市では保険分野でも

(中国)

上海発

2021年03月16日

保険大手の中国太平洋財産保険上海支社は3月5日、上海臨港新片区経済発展項目向けにデジタル人民元の保険契約書を発行した。既に広東省深セン市、江蘇省蘇州市などでデジタル人民元の一般消費者向け実証実験は行われているが(2020年12月18日記事参照)、上海市において保険契約書として企業間で応用されるのは今回が初めて。デジタル人民元で保険契約を支払う場合、手数料が発生しないなどの点においてメリットがあるといわれる。

上海市政府が1月に発表した「上海市の第14次5カ年計画と2035年までの長期目標外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の中で、上海市は世界的な競争力を持つ金融技術センターの建設を目指すとしており、デジタル人民元の応用テストの展開、保険商品のイノベーションを進めるとしている。今回の保険契約はこうした取り組みを具体化したもの。

なお、3月8日の国際女性デーに合わせ、上海市では繁華街・南京西路の新世界城、新世界大丸百貨などの百貨店でデジタル人民元の実証試験が行われた。

(侯恩東)

(中国)

ビジネス短信 818a3dcc0fcf4548