サンクトペテルブルク国際経済フォーラム開催は6月に

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2021年03月04日

ロシアの主要な国際会議主催機関ロスコングレスは3月3日、ロシア最大級の経済イベントであるサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の2021年の開催日程を6月2~5日にすると発表した。開催方式などの詳細は発表されていないが、現時点では、オフラインでの開催が想定されているもようだ。地元では歓迎の声が上がる一方、外国人を呼び込むためには入国規制やビザ発給条件の見直しが必要と指摘されている。

SPIEFは「ロシア版ダボス会議」とも呼ばれるロシアの主要な国際経済イベントだ。ウラジーミル・プーチン大統領の出席が恒例となっており、毎年、世界各国から政治・経済界の首脳や要人が集う。日本がパートナーカントリーだった2018年には安倍晋三首相(当時)も出席した(2018年6月26日記事参照)。前回の2019年は世界145カ国から1万9,000人以上が参加したが(2019年6月14日記事参照)、2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止になった(2020年3月17日記事参照)。

SPIEF開催委員会の事務局長を務めるアントン・コビャコフ大統領顧問は、ロシア国内の感染状況が落ち着きを見せ始めたとする専門家の意見やワクチン接種者の増加、集団免疫形成の進展を考慮した結果、開催を決定したとし、「SPIEF組織委員会は感染対策にあらゆる手段を講じ、万全を来す」と述べている。

サンクトペテルブルク最大のイベントSPIEF開催の報に、地元では歓迎の声が上がっている。アパートメントホテル管理会社バロ・サービスの社長で、ロシア不動産管理・開発組合のサービスアパートメント評議会議長のコンスタンチン・ストロジェフ氏は「SPIEFの開催が実現すれば、ホテル市場が活性化する」と期待を寄せる(「実業ペテルブルク」3月3日)。他方で、市内の高級ホテル「ヘルベチヤ」の経営者は、SPIEF開催期間中は毎年需要が逼迫するため、宿泊料金を最大10倍に引き上げているが、既に期間中の宿泊料を通常料金で受け付けていたため、高い利益を獲得できる機会を逃したと嘆いている(「フォンタンカ」3月3日)。

また、地元メディアはSPIEFに外国人を参加させるためにはロシアへの入国規制やビザの発給条件、サンクトペテルブルク市政府によるイベント開催制限措置(50人超のイベント開催禁止)の見直しが必要になると指摘している(「フォンタンカ」3月3日)。

写真 2019年に開催されたSPIEFの会合の一場面(ジェトロ撮影)

2019年に開催されたSPIEFの会合の一場面(ジェトロ撮影)

(一瀬友太)

(ロシア)

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