ロシア自動車大手、2023年のEV生産目指し研究開発拠点開設へ

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2021年03月24日

ロシア自動車大手が次世代自動車の研究開発拠点を新設する。BMWや現代自動車の自動車組み立てを受託するアフトトルのワレリー・ゴルブノフ会長は、電気自動車(EV)の生産や水素燃料電池車(FCV)のエンジニアリングセンターを設立すると記者会見で発表した(「RBC」3月12日)。

センターはカリーニングラード州に所在する同社工場に隣接して建設する。稼働開始時期についての言及はなかったが、ゴルブノフ会長は2023年までにEVのパイロット生産を開始する計画を表明した。若年層などをターゲットにした低価格帯EVの開発・生産を想定している。同社が受託生産を行うブランドである現代自動車やその傘下の起亜自動車と共同で開発を進めるとみられる。FCVは2028年までに生産する計画だ(「タス通信」3月12日)。

現時点でロシアではEVの商業生産は始まっていないものの、大手・新興各社で開発が進んでいる。2020年12月には地場トラック組み立て大手カマズがサンクトペテルブルク総合技術大学と共同で開発した4人乗りEV「カマ1」を発表。2023~2024年に生産を開始する見込みだ(「プライム」12月21日)。また、地場スタートアップ企業のゼッタは2019年12月にEVの商業生産を開始する予定だったが、資金調達が難航していることから生産は始まっていない(2020年9月10日記事参照)。同じく地場スタートアップ企業のモナークも高級EVの開発完了を2020年11月に発表、台数限定で予約受注を開始したが、品質や企業体制に疑問を呈する指摘もあるなど、本格的な生産には至っていないようだ(「ガゼータ・ルー」11月11日)。

ロシアの2020年の新車EV販売台数は前年比1.9倍の687台(「アフトスタト」1月28日)。他国と比べるとボリュームは小さいが、都市部のカーシェアリング用にEVへの関心が高まっていることや、世界的なEV市場の発展がロシア国内での開発を後押ししているとみられる。

(一瀬友太)

(ロシア)

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