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広東省で進む地理的表示(GI)活用の地域ブランド振興

(中国)

広州発

2021年03月18日

中国の広東省市場監督管理局は3月4日、「2021年知識産権促進プロジェクト実施についての通知」を発出し、各市知識産権局に対して、政府補助金の支援対象として地理的表示製品(GI製品、注)の運用と促進を行うよう指示した。広東省では、登録されたGI製品が2020年7月時点で153件あり、全国3位となっている。広州市黄埔区は既に補助金制度を設けており、GIマークを登録した企業に対して50万元(約850万円、1元=約17円)、GIマークの使用資格を取得した企業に対して20万元の補助金を支給している。

広東省内では、国家レベルのGI保護モデル地域として、江門市(新会地区)と雲浮市(羅定地区)の2つが指定されている。同省市場監督管理局によると、江門市の特産品で地域ブランドの「新会陳皮」(ミカンの皮を3年以上乾燥させたもので薬膳・漢方のさまざまな効用がある)の2019年の生産総額は約85億元。847のミカン農家があり、ミカンの皮の取扱企業は4,870社、従事者は約5万人に達する。

雲浮市では、政府の指導により、貧困地域の鬱南地区の業界団体や企業、農家が連携して、「果物黄皮」(中国南部原産の植物で、果肉は果物として食べ、皮は薬用として消化不良に効く)を地元の代表的な地理的表示製品として育成し、GIを取得した。GIの運用とブランディングによって産業が発展している。年間の生産総額は10億元に達し、従事者は約2万人に上る。

1月25日に開催された全国知識産権局局長会議の業務報告で、申長雨局長は、2021年は第14次5カ年規画(2021~2025年)と知財強国戦略実施の初年度だとして、8つの重点業務を明らかにした。中でも、GIによる地域ブランド振興について、「商標ブランド戦略とGI運用促進プロジェクトを着実に実施し、GI農産物による農村振興(貧困扶助)を開始し、地域ブランドによる特色のある地理的表示製品づくりに取り組む」と述べ、重点業務の1つと位置付けた。

中国政府機関の組織再編に伴い、2019年10月16日に国家知識産権局は、旧工商行政管理総局所管の「GI」(製品の商標保護を目的)と旧質量技術監督総局所管の「PGI」(製品の品質管理を目的)の2つの地理的表示マークを、商標と品質管理の双方を対象とする新「GI」マークとして統一した。中国とEU間では2021年3月1日からGIの相互保護協定が発効している(2020年9月15日記事参照)。

広東省の大手特許事務所である広州嘉権専利商標事務所によると、GIの統一が契機となり、国家や地方政府、関連地域団体の後押しもあって、地理的表示の登録依頼が増加しているという。同事務所では、2020年は広東省内で20件近い農産品のGI登録を支援しており、今後も地元政府関連機関や地域団体と連携して、広東省の地理的表示のブランディングや知財権利化支援を強化していく予定としている。

(注)地理的表示(GI)とは、ある製品が特定の国・地域を原産地とし、品質や評判などの特性がその原産地と結び付きがある場合に、その原産地を特定する表示のこと。これを法的に保護することで、対象産品の模倣品や盗用品を市場から排除することなどが期待できる。

(黎偉君)

(中国)

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