新型コロナウイルス感染拡大を受け、対策措置を強化・延長

(モザンビーク)

マプト発

2021年02月09日

モザンビーク保健省は2月4日時点の新型コロナウイルス感染者数累計は4万2,488人(検体数35万6,317件)と発表した。12月31日時点の1万8,642人から約1カ月で2倍以上に増加しており、2021年に入ってから感染拡大が顕著だ。政府は1月13日付政令第1/2021号で、1月15日~2月4日の21日間、商業施設やレストランの営業時間を制限するなど、感染拡大防止のための制限措置(2020年12月1日記事参照)を強化したが、感染拡大の勢いは衰えていない。

フィリペ・ニュシ大統領は2月4日に国民演説を行い、感染拡大防止のための制限措置の強化と延長を発表した。この演説に基づいて発出された2月4日付政令第2/2021号主な内容は以下のとおり。

  • モザンビークに入国する渡航者は出発前72時間以内に取得したPCR検査の陰性証明を提示する。陰性証明は検体採取日から14日間有効とし、その期間内であれば陰性証明を再入国時に提示することで複数回の出入国が可能(第5条2、5項)。
  • マプト州のマプト市、マトーラ市、ボアネ市、マラクエネ郡では午後9時~翌日午前4時の夜間外出禁止(第17項)。
  • スーパーマーケットなどの大型商業施設の営業時間は午前9時~午後7時(月曜~土曜)、日曜は午前9時~午後4時(第16条10項)。酒類の販売は日曜を除く午前9時~午後1時(第16条11、14項)。
  • 民間企業や公的機関ではマスク着用など従来の感染対策に加え、始業前の検温を実施し、2メートル以上の社会的距離を確保する(第20条3項)。

ニュシ大統領は演説で感染拡大の原因には言及しなかったものの、南アフリカ共和国で発見された新型コロナウイルスの変異株(2020年12月22日記事参照)がモザンビークでも2020年11月に確認されていたことや、マプト市とその近郊の大都市圏では感染増加により医療機関が逼迫していると述べた。モザンビーク医師会のジルベルト・マニッサ会長によると、新型コロナウイルス関連の入院患者の増加により、現在マプト市内の医療機関は満床状態となっているが、2月7日の週には病床数の拡大や治療体制の見直しを実施し、増加する入院患者に対応する予定だと述べた(「ドイチェ・ベレ」2月4日)。なお、日本の外務省は2月2日、モザンビークを日本への入国に当たっての検疫強化対象国に加えた。

(松永篤)

(モザンビーク)

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