新型コロナワクチン接種の詳細公表

(韓国)

ソウル発

2021年02月03日

韓国政府は1月28日、「日常回復のためのコロナ19全国民無料予防接種実施」と題した新型コロナウイルスのワクチン接種計画の詳細を発表した(2021年1月28日記事参照)。計画の全文は韓国政府の新型コロナウイルス関連の特設サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから入手可能。

(1)ワクチンの接種時期と対象者

  1. 2021年1月~3月:新型コロナウイルス感染者専門の医療従事者(首都圏から開始し、地方に拡大)、高齢者療養病院入院者・療養施設入居者と医療従事者、重症患者を受け入れている医療機関の医療従事者、緊急救急などスタッフ(119救急隊、検疫官、疫学調査官など)
  2. 2021年4月~6月:65歳以上の高齢者、老人福祉施設、障害者施設入居者など脆弱(ぜいじゃく)者施設入所者
  3. 2021年7月~9月:慢性疾患者、成人(19歳~64歳)
  4. 2021年10月~12月:第2次接種、未接種者

なお、今後の新型コロナウイルス感染拡大状況や、ワクチンの導入日程・量などの変更に応じ、予防接種専門委員会の審議を経て修正し、当該計画に反映する。在留外国人に関しては、長期滞留者で健康保険に加入した者に限って接種対象とし、接種順番は内国民と同様。

(2)接種するワクチンの種類

世界保健機関(WHO)の「COVAXファシリティー」を通じたワクチン供給に加え、個別企業(アストラゼネカ、ヤンセンファーマ、ファイザー、モデルナ)との契約を通じ、約5,600万人分のワクチンを確保している。さらに、ノババックスとの契約を通じ、約2,000万人分を確保すべく推進している。

また、ワクチンの流通管理については、種類ごとに保管や流通条件が異なり、接種場所も多様であることから、ワクチンが国内に到着してから接種まで、民・官・軍合同で安全なワクチンの流通・保管システムを構築する予定。

(3)ワクチン接種機関

ワクチンの種類によって、全国に250カ所の予防接種センターと約1万カ所の委託医療機関に区分し、高齢者療養病院入院者・療養施設入居者、重度障害者施設入居者などに対しては、専門の訪問予防接種チームを運営する。

(4)情報システム

2月1日から「コロナ19予防接種情報」ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて予防接種に関する情報を公開し、3月からは接種可能時期や事前予約機能などを段階的に拡大する。

(5)予防接種後の管理

予防接種後の異常反応を予防するため、予診を行って接種可能か確認する。また、接種後は一定時間(15分~30分)、会場で待機し、異常反応の発現を確認する。異常反応が発現し、疫学調査の結果、予防接種との因果関係が認められる場合は、「予防接種被害補償制度」に基づき、国が療養や介護、障害、遺族などの補償を行う。

(当間正明)

(韓国)

ビジネス短信 abf2f0a7ebafb072