ベトナム保健省、ワクチン用の超低温貯蔵施設を承認

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年02月25日

ベトナム保健省は、新型コロナワクチンの超低温保管が可能な貯蔵施設を初めて承認した。2月22日に、保健省機関紙「健康と生活」などが報じた。今回、保健省が承認した貯蔵施設は、ベトナム・ワクチン社(VNVC)がホーチミン市、ハノイ市およびダナン市に設置したもの。各施設には、マイナス86度までの超低温下でのワクチン保管が可能な冷凍庫(1台につき約10万回分のワクチンを保管可能)が、それぞれ、18台、7台、5台配備されており、300万回分のワクチン保管が可能となる。

ベトナム政府は、ファイザー・ビオンテック製やモデルナ製のワクチンの輸入に向けた協議を進めている(2021年2月4日記事参照)。これらのワクチンは、マイナス80度~マイナス20度の超低温・低温での保管が必要で、貯蔵施設を整備することが輸入の前提条件となっていた。

また、ベトナムでは、保健省が英国アストラゼネカ製ワクチンを認可している。ベトナム・ワクチン社は、アストラゼネカとの間で3,000万回分の購入契約を行っており、第1弾の輸入ワクチン(11万7,600回分)が2月24日にホーチミン市に到着した(保健省機関紙「健康と生活」2月24日)。同ワクチンについては、2~8度での保管が可能だ。

保健省は、国内の冷凍輸送システム(コールド・チェーン)を精査した結果として、超低温(マイナス70度)の貯蔵施設で300万回分、低温(マイナス25度)の貯蔵施設で180万回分、標準温度(2~8度)の貯蔵施設で数千万回分のワクチン保管が可能、としている(ベトナムニュース2月23日)。

写真 ワクチンの超低温保管が可能な冷凍庫(ベトナム保健省提供)

ワクチンの超低温保管が可能な冷凍庫(ベトナム保健省提供)

(比良井慎司)

(ベトナム)

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