保健省、英アストラゼネカ製ワクチンを認可

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年02月04日

ベトナム保健省は2月1日付の決定983/QD-BYTで、英国アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンを認可した。同省が新型コロナワクチンを認可するのは今回が初めてとなる。

アストラゼネカ製のワクチンは3,000万回分の供給が予定されている。優先的な接種対象者として想定されるのは、医療従事者に加え、感染すれば重症化の恐れのある高齢者や慢性疾患患者、外交関係者など(「VNエクスプレス」2月2日)。このワクチン接種は2021年第1四半期(1~3月)に開始することが見込まれており、フック首相は保健省に対して、ワクチン調達に関する計画を提出するよう指示している。

ベトナム政府は、外国製ワクチンの確保に向けて、米国(ファイザー製、モデルナ製)、ロシア(「スプートニクV」)、中国と協議を進めている(「VNエクスプレス」1月30日、2月1日)。

また、ベトナムでは、国産の新型コロナウイルスワクチンの開発も進めている(2020年11月17日記事参照)。現在、2種類の国産ワクチンが臨床試験の段階にあり、ナノジェン社の開発によるワクチン「ナノコバックス(Nanocovax)」は第1相試験を既に完了しており、第2相試験を2月初旬に実施予定。ワクチン・生物学的製剤研究所(IVAC)の「コビバック(Covivac)」については、1月21日に開始した第1相試験を2月中に完了し、第2相試験を3月に開始する見通しだ(保健省機関紙「健康と生活」2月1日)。

(比良井慎司)

(ベトナム)

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