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ポーランド政府、2040年までのエネルギー政策を承認

(ポーランド)

欧州ロシアCIS課

2021年02月16日

ポーランド政府は2月2日、「2040年までのエネルギー政策(PEP2040)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を承認した。ポーランドでは豊富な石炭が採れることから、2018年時点で発電電力量の77%を石炭に依存しており、この比率はEU加盟国の中でエストニアと並んで最も高い。一方、パリ協定や欧州グリーン・ディールで掲げられた目標に基づき、脱炭素化やエネルギー供給の多角化が求められている。

PEP2040は、自国のエネルギー資源の最適化を図りながら、エネルギーの安定供給、経済競争力の確保とエネルギー消費効率の改善、環境保全を同時に達成するために、2040年までにエネルギー転換をどのように行っていくべきかの枠組みを示したもので、以下の3つの柱に基づいて実行される。

1.公正な移行(Just Transition)の実現(注)

石炭が発電電力量に占める割合を2030年に56%まで削減するために、経済的に石炭鉱業に依存する地域に対して、EUの「公正移行基金」から約600億ズロチ(1兆6,800億円、1ズロチ=約28円)を割り当てて、再生可能エネルギーや原子力エネルギー、それらの導入を支える電力ネットワークの構築など新しい産業への移行と、30万人の新規雇用を支援する。

2.ゼロ・エミッションのエネルギーへの移行

洋上風力発電と原子力発電を導入する。洋上風力については、2030年に最終エネルギー消費全体に占める再生可能エネルギーの割合を少なくとも23%まで引き上げるため、主要なエネルギー供給源として、2030年までに5.9ギガワット(GW)、2040年までに11GWの洋上風力の設備容量を設置する。なお、2018年時点では、再生可能エネルギーの割合は11%にとどまる。原子力発電については、2033年にポーランド初の1基目、2043年までに追加で5基を稼働させて、合計6~9GWの電力量を確保する。2030年までに、温室効果ガス排出量の30%削減(1990年比)を目指す。

3.大気汚染の改善

温冷熱部門と運輸部門で脱炭素に取り組む。温冷熱部門については、石炭を燃料とする熱供給を都市部では2030年までに、農村部では2040年までに廃止して、電気を使った暖房やヒートポンプの利用を拡大する。運輸部門については、電気や水素を燃料とするモビリティの技術開発を推し進め、人口10万人以上の都市では2030年までに公共交通部門におけるゼロ・エミッションを目指す。

ポーランド政府は、2040年には設置容量の半分以上がゼロ・エミッション発電から供給されると説明し、洋上風力と原子力を新たな戦略的産業分野に育成することで、国内産業の発展や人材開発、雇用創出などの新しい機会が生まれると強調している。なお、原子力の導入に向けて、ポーランド政府は米国やフランスとの協議を重ねており、日本とは2019年に締結した戦略的パートナーシップの中で、原子力を含むエネルギー分野における協力の強化を発表した。

(注)化石燃料関連の産業から、クリーンなエネルギーなど新しい産業へのスムーズな転換を促す政策(2020年6月30日記事参照)。

(山根夏実)

(ポーランド)

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