西南4省・市の2020年の経済成長率、いずれも前年比プラス実現

(中国)

成都発

2021年02月04日

中国・西南地域の4省・市では、2020年初からの新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の鈍化により、第1四半期(1~3月)の経済成長率はいずれもマイナスになったが、第2四半期(4~6月)から回復に転じ(2020年7月31日記事参照)、その後も堅調な成長を続け、2020年通年ではいずれもプラス成長を実現した。

2020年通年の域内総生産(GRP)実質成長率は、四川省が3.8%の4兆8,599億元(約77兆7,584億円、1元=約16円)、重慶市が3.9%の2兆5,003億元、雲南省が4.0%の2兆4,522億元、貴州省が4.5%の1兆7,827億元となった(添付資料表参照)。

四川省と重慶市では2020年、一定規模以上の工業付加価値額はそれぞれ前年比4.5%増、5.8%増となり、いずれも中国全体成長率の2.8%を上回った。うち、パソコン・通信・その他電子設備製造業付加価値額は、四川省が前年比17.9%増、重慶市が13.9%増となった。貿易額をみると、四川省が前年比19.0%増の8,082億元、重慶市が12.5%増の6,513億元で、いずれも中国全体の伸び率1.9%を大幅に上回った。特にノートパソコンの輸出額が、四川省では前年比29%増の1,117億元、重慶市では同16.1%増の1,726億元となっており、国外のノートパソコン需要が両地域の工業生産を下支えする要因となったとみられる。

四川省の社会固定資産投資額は前年比9.9%増と大きく増加した。特に成都市では、2021年8月に開催予定の第31回夏季ワールドユニバーシアード競技会や、地下鉄路線拡張、成都市の第2空港となる天府国際空港建設など、大型プロジェクトに関連するインフラ整備への投資が前年比14.3%増となった。

消費分野では、重慶市、貴州省の社会消費品小売総額がそれぞれ前年比1.3%増、4.9%増となり、両地域とも前年比プラスとなった。重慶市では、新エネ車やスポーツ・娯楽用品、ウェアラブルスマートデバイスの小売総額がそれぞれ前年比31.7%、19.6%、20.4%増加し、貴州省では、スポーツ・娯楽用品、たばこ・酒、日用品はそれぞれ432%、82.1%、60.4%増加し、これらが消費を牽引した。

(郭穎)

(中国)

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